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ウォーターフットプリントとピークウォーター

 水の惑星といわれる地球だが、そのうち97.5%は海水で、1.75%が北極・南極などに氷として存在する。私たちがふだん使うことができる河川や湖沼のいわゆる地表水は0.02%以下しかないという。地下水を入れても0.8%にすぎない。

 しかも水資源は偏在している。日本のように降水量に恵まれているところでも、毎年のように水不足が起きる。世界の多くの地域では慢性的に水が不足している。水は私たちの生存を直接・間接に支えている。急激に体内の水分が失われれば死に至ることはもちろんだが、穀類・野菜・果物・家畜といった私たちの食べ物を生産するのにもたくさん水必要なのだ。そればかりか工業製品を作るのにだって、大量に水を消費している。

 こういう表面に現れない水の消費を「ヴァーチャルウォーター」と呼んでいる。また、カーボンフットプリント(CF)と同じようにある製品や国が使用した水の総量を「ウォーターフットプリント(WF)」という。

 ウォーターフットプリントネットワーク(WFN:www.waterfootprint.org)によれば、1kgの牛肉を生産するには1万6,000リットルもの水を使う。たった1杯のコーヒーに140リットルの水が必要だ。ハンバーガー1個のWFは2,400リットルにも及ぶ。

 日本人のWFは1年1人あたり1,153m3に及ぶ。しかもその64%は国外で使用しているものだ。海外から食品や製品を輸入することで、ヴァーチャルウォーターを輸入することになる。中国は702m3で国外依存分は7%、オバマ大統領の父親の出身地ケニアは723m3である。一方、アメリカのWFは日本の2倍以上の2,483m3で、アメリカ人はエネルギー同様水も大量に浪費している。「ガソリンも水もがぶ飲み」というわけだ。新政権とともにチェンジしてもらいたいものである。

 すでに人類は地球上で使用可能な水の半分を使ってしまっているにもかかわらず、何十億人もの人が最低限の水にも事欠く状況におかれている。ここでも先進国は水を潤沢に使い、発展途上国は水不足で苦しんでいる構図になっている。しかしこのままではいずれ水資源の限界が訪れる──それがピークウォーターだ。もちろんピークウォーターはピークフードにもつながる。国連の見通しによれば、2020年までに水の消費量は現在の1.4倍にも増加する。果たしてそんなことが可能だろうか。過剰な水の利用はすでにさまざまな影響を及ぼしている。湖が干上がり、気候まで変わる。生物多様性にも大きな影響がある。水は人類だけのものではない。
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by greenerworld | 2009-01-23 08:38 | 森羅万象  

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