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いま手をさしのべなければ

 このところ時間があれば近くの里山にトウキョウサンショウウオの調査に入っている。昨年、確認できなかった生息地もあり、何とか産卵が見られないものかと願いつつ、冷たい水に手を入れ落ち葉の下を探ってみるが、手応えは虚しい。水場そのものが縮小・消失して産卵できなくなっているばかりか、水場があってもほとんど産卵が見られない。昨年以上の減少傾向で、絶滅の坂を転げ落ちているのかと天を仰ぐ。

 丘陵地に生息し、早春浅い止水に産卵するトウキョウサンショウウオにとって、開発に加え里山の放置によって水場が消失することが何より影響が大きい。谷戸の細流は谷川のように浸食が進み、かつての水田は乾燥化して植物が生い茂っている。湧水も減少しているようだ。

 さらに脅威なのは、捨てられたアライグマが定着し、増えていることだ。アライグマは、産卵のために水場に集まったトウキョウサンショウウオを食いちぎり、卵塊にも手をつける。人間の身勝手さが、長い間ひっそりと生きてきた里の生きものを追いつめている。

 つい最近、保護池のトウキョウサンショウウオの卵塊が夜中にごっそり持ち去られるという事件があった。こちらは人間の仕業である。インターネットのオークションサイトには、成体や卵塊が売りに出されている。成体もほとんどはこの時期に水場に産卵にやってきて捕獲されたものだ。2006年に国の絶滅危惧II類に指定されたことでマニアの間では価値が高まった。希少であればあるほど価格が上昇する。全く腹立たしく、愚かしい話である。
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by greenerworld | 2009-03-22 10:27 | 生物多様性  

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