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カエルツボカビは日本起源?

 2006年暮れ、日本でも発見され大きな問題となったカエルツボカビ症。その後野外でも陽性個体が発見されたが、いずれも発症に至らないケースであったことから、日本の両生類はツボカビに抵抗性を持つのでないか、との見方も出ていた。今回それを裏付けるような結果が国立環境研究所などの調査でわかったと毎日新聞が報道している。毎日新聞のサイトによると、日本の野生のカエルからツボカビの系統が30種類発見された。一方、感染で大きな被害が出た中米やオーストラリアでは、日本で見られる系統を含む1系統しか見つかっていないという。通常、多くの遺伝的変異を持つ地域の方が起源は古いと考えられることから、中米やオーストラリアには、日本を含むアジアから広がった可能性がある。

 つまり、2006年のツボカビは、侵入したのではなく、もともといた(あるいは里帰りした)ものだったのかもしれない。野外で陽性でありながら発症しないのは、日本の両生類はツボカビと長くつきあってきたため抵抗性を獲得していたということになる。2007年時点では、ツボカビはアフリカ起源で、アフリカツメガエルなどの実験動物とともに広がったと考えられていた(2007.1.14付小ブログ)が、その説が書き換えられることになるのか。

 日本では大正年間にウシガエルが食用に持ち込まれ、各地に広がった(現在外来生物法で特定外来生物に指定されているのはその時の子孫)あと、戦前、戦後の一時期アメリカにも輸出されている。しかし、このときは肉を冷凍で輸出しているため、これによってツボカビが広がったとは考えにくい。ケープタウンの博物館にあった1938年のアフリカツメガエル標本からツボカビが確認されたというのが事実であれば、その時までに日本を含むアジアから何らかの形で生きたカエルが南アフリカに持ち込まれていたことになる。これもまた考えにくいことである。真相の究明にはアフリカでの再調査も必要となろう。

 日本の両生類にとってはとりあえずほっとするニュースだが、抵抗性を持っていない地域の両生類の危機は続く。
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by greenerworld | 2009-05-05 17:38 | 生物多様性  

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