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存在感薄まる日本の太陽電池産業

 最近まで世界の太陽電池の半分をつくり出していた日本だが、この3年ほどで凋落が著しい。直接のきっかけはシリコン不足だったが、その間にEUや中国・台湾のメーカーが急成長し、国内市場の低迷もあって、急伸する海外市場でシェアを奪っていった。太陽電池情報誌「PVNews」によれば、2008年の日本メーカーのシェアは18%までに低下、中国とEUが27%で並び、台湾が12%まで迫ってきた。

 メーカー別に見るとトップは昨年に続いてドイツのQセルズ(生産量570MW)だったが、2位に食い込んだのはアメリカを本拠とするファーストソーラー(504MW)。3位が中国のサンテック(498MW)である。かつてのトップ企業、日本のシャープは4位(473MW)となった。5位には台湾のモテック(384MW)が食い込んだ。日本メーカーでは京セラが6位の他、サンヨー、三菱電機がトップ10から滑り落ちた。前年比伸び率はQセルズが47%、ファーストソーラーが143%、サンテックが52%、シャープが30%、モテックが118%。ファーストソーラーの驚異的な伸びが目を引く。ファーストソーラーは、唯一薄膜系(CdTe:カドミウム-テルル)を中心に生産しており、短期間で生産を伸ばした。来年にはトップを奪い取る可能性がある。シャープは40%伸ばしているものの、2007年の生産は前年割れしており、2006年と比べると9%の伸びにとどまっている。

 Qセルズ、ファーストソーラー、サンテックのトップ3を始め、トップ10のうち6社は2000年代に入ってから市場に参入してきたニューカマーだ。短期間にプレーヤーが入れ替わるのも、この産業の特長であり、第二のQセルズ、ファーストソーラーがひしめいている。シリコン系では安いシリコン原料の製造が中国中心となっており、原料の調達に難しさがある。ファーストソーラーのように、化合物薄膜系の生産が伸びてくるとさらに短期間で業界地図が塗り変わる可能性がある。

 中国の国家発展改革委員会は、中国の太陽電池生産を2020年までに1,800MWにするという計画を2007年に立てているが、最近それをはるかに超える10,000MW以上に達するという見通しが出された。中国では再生可能エネルギーの振興策によって風力発電も大きく伸びている。太陽光発電にも国内市場の刺激策が打ち出され、太陽電池の生産目標も近く見直されるだろうという。ちなみに2008年の世界の太陽電池生産量は7,000MW弱である。大市場はEUそして米国へ、さらに中国へと移ろうとしている。このままでは、日本の存在感は薄まるばかりだ。

 
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by greenerworld | 2009-05-06 15:00 | エネルギー  

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