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エノキの葉っぱについていたもの

 道ばたのエノキの葉っぱに、実のようなものがついている。虫こぶ(ゴール、gall)のようだ。調べてみたら、タマバエの一種が寄生したものらしい。

エノキの葉っぱについていたもの_f0030644_16542681.jpg 虫こぶの名前としては「エノキハトガリタマフシ」となる。虫こぶの名前の付け方には決まりがあって、宿主(植物)名+(部位名)+形状+フシ。つまり、エノキの葉についたとがった玉状の虫こぶという意味。フシ(付子または五倍子)とは虫こぶのこと。

エノキの葉っぱについていたもの_f0030644_16544244.jpg いくつか取って帰り、中を見てみる。皮は意外と固く、中は空洞。小さな虫が入っている。これが寄生しているタマバエ(エノキトガリタマバエ)の幼虫だ。虫こぶは昆虫に寄生された植物の側が防御反応でつくったものだと考えられるが、寄生した方にとっては隠れ家と餌の両方が得られる。タマバエ、タマバチ、アブラムシなど多種多様な虫こぶをつくる昆虫がおり、ほぼ宿主とは1対1の関係になっているようだ。もっともアブラムシの中には、ライフステージによって宿主を替えるものもいるらしい。

 ほかにブログ子がこれまで観察した中には、エゴノネコアシフシ(エゴの猫足付子)、ナラメリンゴフシ(ナラ芽リンゴ付子)、クヌギエダイガフシ(クヌギ枝イガ付子)なんてのがある(スライド写真しかないので残念ながら紹介できません)。

 もともとフシというのはヌルデの虫こぶのことで、これから黒い染料を取った。昔女性が歯を染めるために使ったおはぐろだ。万年筆のブルーブラックインクも、元はオークやヌルデの虫こぶから取ったタンニンを使ったとか(オークに虫こぶをつくるハチをインクタマバチというんですね)。虫こぶには植物がいろいろな成分を蓄積させる。それが人間の薬になったり、染料になったりしたわけだ。

by greenerworld | 2009-05-24 16:57 | 花鳥風月  

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