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ベタープレイスのバッテリー交換式EVシステム

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バッテリー交換ステーションのイメージ(ベタープレイス・ジャパンのパンフレットより)

 環境省の平成20年度補正予算で実施されている、電気自動車(EV)などを用いた「次世代自動車導入促進事業」の実証試験の一つとして、ベタープレイス社が横浜市で実施してきた、モデル事業を見学してきた。アメリカ・カリフォルニアに本社を置くベタープレイス社(シャイ・アガシCEO)は、これまでにイスラエル、デンマーク、カリフォルニア、カナダなどで、新しいコンセプトによるEV事業をスタートさせようとしている。

 自動車産業の黎明期以来EVは存在し、さらにこれまで何度かのEVブームがあったが、いずれの場合も定着はしなかった。その理由はEVの航続距離の短さ、バッテリーへの充電に時間がかかること、さらに充電インフラが町中に整っていないことである。リチウムイオンバッテリーの登場で、航続距離に関しては、街乗りの実用レベル(100km超)には達している。しかし、相変わらず、充電時間の問題は片付いていない。7月発売の三菱自動車のi-MiEVは、家庭用電源100Vでフル充電までに14時間もかかってしまう。専用の急速充電器なら、約30分で80%のチャージが可能だというが、その充電スポットはまだ少ないし、30分とはいえ、やはり時間がかかる。

 ベタープレイスが提案するのは、バッテリーを内蔵するのではなく、交換式にするという選択だ。これであれば数分で空になったバッテリーを満タンにできる。横浜・山下町の実験サイトでは、実証試験の一環としてそのバッテリー交換のメカニズムを公開した。車がバッテリー交換ステーションに入ると、ステーション側と車がブルートゥースで通信をしながら、完全に自動的にバッテリーの着脱交換を行うという。

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公開されたデモンストレーション用のバッテリー交換ステーションとEV

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使い終わったバッテリー(手前)を回収、その後フル充電されたバッテリーに付け替える

 回収されたバッテリーはステーションで充電され、また他の車に使用される。こうした充電ステーションを、一定間隔で整備することで、バッテリー切れの心配なくEVに乗り続けることができる。

 実証試験に用いたEVのベース車は日産デュアリスで、これをモーター走行のEVに改良し、車体の下にバッテリーを装着するようにしている。

 現状では、バッテリー内蔵式EVの価格は400万円以上する。実はその半分近くがバッテリーの値段だという。バッテリーがなければ、現在のガソリン車並に価格を下げることもそれほど難しいことではない。ベタープレイスのビジネスモデルでは、バッテリーは同社が所有することになり、カーオーナーはバッテリー代を負担する必要がない。またバッテリーは確実に回収され、同社が再利用・リサイクルも行う。

 会員制で、課金方式は定額制+従量制のような携帯電話と似たシステムを採用するらしい。

 ベタープレイスでは、ルノー・日産グループと提携し、イスラエルで2011年に電気自動車の量産車を発売する予定という。ベタープレイスはそれまでに同国内に充電インフラを整備していく予定だ。デンマークでは、大手電力会社DONGエナジーと組んでビジネス展開を図っている。

 ベタープレイスの日本法人であるベタープレイス・ジャパンは、この実証試験を受けて、10台程度の交換式EVタクシーによる路上運用テストを来年から実施する予定だ。まずはタクシー市場のEV化をターゲットとして狙う。タクシーは台数でいえば乗用車の2%だが、走行距離にすると20%と稼働率が高い。またサービスエリアが一定していることから、バッテリー交換式によるEVシステムの導入に向いているからだ。CO2の排出もその分多いわけで、タクシーが全てEVになると、日本のCO2排出は3%減るという。
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by greenerworld | 2009-06-19 21:34 | エネルギー  

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