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ピークコール(石炭のピーク)も近づいている?

 石油メジャーBPが毎年発表している「Statistical Review of World Energy」から、2001年からの化石燃料の「可採年数」を抜き出してみた。可採年数は、その年の確認埋蔵量を生産量で割ったもの。つまり、その時点であと何年生産し続けることができるかという目安になる。確認埋蔵量も生産量も年によって変化するので、可採年数も変わる。石油も天然ガスも資源の限界といいながら、それぞれ40年、60年程度で維持されているのは新たに開発された油田・ガス田が加わってくるからで、「なんだかんだ言っても石油や天然ガスはなくならないんじゃないの?」という楽観論にも結びついている。しかし問題は究極埋蔵量がどれだけかということで、石油も天然ガスも中生代を中心にした過去の生物の遺骸が変化したものというケロジェン説に立てば、いずれピークは訪れる。実際、近年新発見される油田・ガス田はどれも大規模なものではない。ちょうどその年使った分が発見されているという状況だと思えばいいだろう。そのバランスが早晩崩れるというのが、ピークオイル派だけでなく、多くの資源専門家の見方。

 ところで、石炭についてはまだまだ資源は十分にあるという認識でいた。実際に5-6年前は可採年数が200年程度あったのだ。ところがデータを見てびっくり。年々下がり続けて、2008年の可採年数は122年に減ってしまっているではないか。
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化石エネルギーの可採年数の推移


 これはひとえに中国が石炭生産(と消費)を伸ばしているからだ。中国では発電燃料の8割が石炭である。工業用燃料としても石炭が大きな比率を占めている。中国の石炭生産と消費は98年から08年の間でそれぞれ、2.25倍と2.16倍に急増した。国内分だけでは足りず、オーストラリア中心に輸入も伸びている。中国一国で見ると、2008年の石炭の可採年数は41年。それも年々縮小している。この勢いが続けば、20〜30年で国内の石炭を掘り尽くしてしまいかねない。

 中国の旺盛な石炭需要を支えられるのは、当面はオーストラリア、その後はロシアとアメリカしかないのだ。輸入となれば、これまでのような安い石炭を使い続けられない。輸出国側との関係もある。中国は強い危機感を感じているにちがいない。中国の国家百年の計にとって地球温暖化よりエネルギー資源問題の方がより切実なはずだ。インドも似たような状況にある。両国が原子力発電への強いシフトを表明しているのは当然のことだろう。そうなるとウラン燃料の残りも心許なくなる。石油だけでなく、全ての既存エネルギーは、早晩ピークを迎える。22世紀はこのままでは暗黒の時代である。
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by greenerworld | 2009-10-08 13:05 | エネルギー  

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