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アフリカ選手権と石油の罪

 西アフリカのアンゴラで開催中のサッカー・アフリカ選手権(ネイションズカップ)で、開催地の一つカビンダ州でトーゴチームのバスが襲われ、関係者二人が死亡するという事件があった。トーゴチームはこの事件にショックを受けて帰国してしまい、ボイコット扱いになった。

 事件があったカビンダ州はアンゴラの飛び地になっていて、分離独立を主張する反政府系組織が活動しており、今回の襲撃もその組織によるものだったようだ。カビンダの沖合には油田があり、その収入により、近年の経済成長は著しい。しかし、同国は世界で最も汚職が蔓延している上位10か国の一つに数えられている。石油収入はアンゴラ国民を潤すことなく、ほとんどの国民は貧しいまま、スラムに住み飲料水の確保すらままならないという。しかも経済成長に伴う物価上昇が生活苦に拍車をかけている。カビンダの分離独立を求める反政府組織も、結局は石油利権の確保がねらいなのだろう。そもそもアンゴラ内戦そのものが石油利権をめぐる争いだったと言われている。

 近年の資源インフレで、資源大国アフリカには先進国や新興国からの投資が急増している。しかし、現実にはそれが一部の人間を潤したり、海外に還流してしまい、地域の恵みとならないばかりか、インフレやテロでますます社会不安をもたらしている。ナイジェリア、コンゴ民主共和国、スーダン、チャドといった産油国は、のきなみ内戦を経験している。これらの内戦は、表面的には民族や宗教の対立が原因とされているが、いずれも例外なく石油利権をめぐる争いだった考えられるそうだ。ナイジェリアではいまも石油利権をめぐってのテロが絶えない。問題は手っ取り早く儲かる石油があるばかりに、その他の産業が育っていないことだ。

 6月のFIFAワールドカップで同組になったカメルーンが、思いのほか不調で、一次リーグ突破に苦しんでいることばかり報道されているが、アフリカの現実にも少しばかり思いを致したい。
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by greenerworld | 2010-01-19 20:51 | エネルギー  

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