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太地町の住民毛髪に高濃度の水銀

 数年前に、散髪したときの毛髪をひとつかみほど持って帰った。検査機関に送って金属などが含まれる量を調べてもらうためだ。特に水銀は毛髪にたまりやすく、体内の水銀濃度を反映しているとされ、汚染度・健康への影響の目安となる。

 水俣病の原因となったのが、チッソが垂れ流した廃液に高濃度に含まれる有機水銀であり、日常的に食べている魚介類を通じて人間が水銀を取り込み、発症したのだった。水銀は食物連鎖を通じて、生態系上位の動物体内に蓄積していく。日常的に摂取を続け、長生きする動物ほど水銀濃度は高まる。ある一定の濃度を超すと、影響が出てくる。特に脳神経細胞が冒される。最も重篤な中毒症状がハンター・ラッセル症候群である。また、胎児期に水銀の影響を受けると、神経の発達異常によって、心身障害となることがある。

 その時のブログ子の検査結果は3.8ppmであった。ちなみに日本人男性の毛髪水銀濃度の平均は、2.55ppm。50ppm以下であれば、健康への影響は少ないとされているが、妊婦の場合、毛髪水銀濃度が10ppmを超えると胎児の神経発達に影響を及ぼす可能性があるという報告もある。

 さて、クジラの町であり、ドキュメンタリー映画「The Cove」の舞台である和歌山県太地町で、住民の毛髪水銀濃度が日本人平均の10倍と高かったことが北海道医療大と第一薬科大のグループによる調査で判明したと、共同通信が報じている。太地の住民は、伝統的にゴンドウクジラなどのクジラ・イルカ類をよく食べる。その肉に高濃度に含まれる水銀が原因ではないかという。男性の平均で21.6ppmなので、中には50ppmを超える人もいたのかもしれない。女性の平均でも11.9ppmだったそうで、胎児への影響が出かねない濃度だ。

 元の水銀は火山の噴火でも放出されるが、いまでは自然由来のものより人工由来の方が何倍も多い。さまざまな工業製品にも使われるし、工業プロセスでも使われる。かつては農薬にも使われ大量にばらまかれた。石炭にも含まれているので、火力発電所からは水銀蒸気が立ち上っている。蛍光灯にも水銀蒸気が封入されている……。

 これらの水銀がめぐりめぐって生物のからだに取り込まれていく。その最後の行き着く先が人間だ。人間は生態系の最上位にいて、しかも長生きだ。水銀だけでなく、その他の重金属、ダイオキシンなども食物連鎖を通じて、地球上をめぐり、人間にたどり着く。クジラやイルカ以外で汚染度の高いのは、カジキやマグロ、キンメダイなど。高級魚が多いので、ブログ子としては安心。表層を泳いでいて寿命が短い魚なら水銀の汚染度は少ない。イワシやアジやサバやサンマなどです。

 これから出産を考えている方は、こちらをチェック。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-1-02.pdf
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by greenerworld | 2010-01-22 09:11 | 環境汚染  

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