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トキ、テンに襲われて……その後

 佐渡のトキ保護センターの野生馴化ケージ内のトキ9羽がテンに襲われて死亡した事件について。その後の新聞報道などによると、テンはもともと佐渡には生息しておらず、1959年にノウサギ駆除を目的に導入されたものだという。しかし、導入した捕食動物が目的以外の、より補食しやすい獲物を襲うことはままある。伊豆七島の三宅島ではネズミ駆除のためにイタチを導入したところ、島内の固有種のトカゲやアカコッコが食害を受けた。島嶼では上位の捕食動物を欠くことがあり、アカコッコも地上に営巣するほど無警戒だった。

 日本のトキは乱獲で全国から姿を消し、1930年代にはほぼ佐渡島だけに生息するようになった。これには、佐渡にはテンがいなかったことも、少しは関係しているのかも知れない。もちろん、テンが導入されたころにはトキの数は数羽程度になっていたので、テンがトキ絶滅の原因ではない。

 今回のトキは中国産なので、原産地にテンのような野生動物がいるのかどうかも留意点だろう。テンは木登りは得意で、成鳥は襲わないとしても樹上の巣の卵やひなを獲ることはあり得る。首尾よく営巣を始めた2組のペアの営巣木に「テン返し」を設けるなど対策をとるというが、今後野生のトキすべてにそうした対策をとるのか。テン以外にもさまざまな敵はいる。
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by greenerworld | 2010-03-22 10:03 | 生物多様性  

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