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フローレス島のホビットは百万年前から?

 ネイチャー3月17日号に寄稿された記事によれば、2003年にインドネシアのフローレス島で発見されたヒト族(ホモ・フローレシエンシス=フローレス人)は、その後の石器などの発掘調査によって少なくとも百万年前からフローレス島に生息していたと考えられるという。

 身長が1m程度しかなく、頭蓋骨はグレープフルーツ大。その小ささから“ホビット”(トールキンの指輪物語に出てくる小人族)と呼ばれ、人類学上に大きな論議を投げかけたH.フローレシエンシスは、かつてアジアに住んでいたH.エレクトスから別れ、小さな島で隔離されて特殊進化したものだと言われている(島嶼化=大きな生物が島に隔離されるとそれ以外の地域より体が小さくなる現象。逆に小さな生物は大型化する場合もある)。従来は80万年ほど前に島にやってきたとされていたが、このほど発表された論文では、彼らが使用していたと考えられる石器が百万年前の地層から発見されたことで、H.フローレシエンシス(の祖先?)は少なくともその時代からフローレス島にくらしていただろうという。島にかつていたコビトゾウや巨大リクガメが絶滅したのは、H.フローレシエンシスによるものとされていた見解も修正されるべきだとしている。

 H.フローレシエンシスが驚きをもたらしたのは、その小ささだけでなく、発見された人骨がわずか1万8000年前のものだったことだ。つまり、現生人類がすでにアジアにくらしているときに、その片隅の島で彼らはひっそりと生き延びていたことになるからだ。しかし、いかに島嶼化とはいえ、これほど小型化することはあり得ない、病気の個体だったのではないかという意見も根強くある。

 アイヌ民族の伝承にあるコロボックル、北欧のトロールなど、小人族の伝説は各地にある。それはH.フローレシエンシスのような種族との出会いがもたらしたものなのか。もしかするとまだどこかにヒトのいとこたちが生き残っているのではないか? まだまだ地球は不思議に満ちている。
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by greenerworld | 2010-03-24 08:57 | 森羅万象  

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