管理者へのメール / 管理者のプロフィール


安物買いの銭失い

 タイトルはよく知られている俚諺であるが、おさらいしておくと「安い物は品質が劣るから結局は金銭を失うに等しい結果になるということ」(広辞苑第五版)である。近ごろのデフレ状態を眺めて、これは経済にも当てはまるなあと、ふと思った。デフレスパイラルって、まさに「安物買いの銭失い状態」に経済が陥っているってことじゃん。消費者が安いものを求めるから、仕入れも、部品や原料も、賃金も安くなっていく。そうするともっと安いものでないと買えなくなる。するとさらにお金が回らなくなっていく(銭を失う)。

 生産性が上がってコストダウンが実現し、価格が安くなるのは健全なことである。しかし生産性の向上を超えて、価格が安くなっていくのは、どこかにしわ寄せが行っているのだ。それは下請企業かも知れないし、労働者かも知れないし、生産者かも知れない。あるいは資源や環境かも知れない。

 一方でバブル時代には「高ければ高いほどいい」という愚かしい消費行動もあった。品質や必要性ではなく、高価格というだけで購入していたのだ。ゆえにバブルだったのだが、これもまた資源や環境、そして人間性の浪費につながった。

 CSRというと企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)のことであるが、もう一つのCSR、すなわち消費者(あるいは市民)の社会的責任(ConsumerあるいはCitizen Social Responsibilityについてもっと真剣に議論し、取り組むべき時ではないだろうか。

 まともな製品や食品を、それなりの対価を支払って購入することもそうだし、クロマグロをはじめとする希少な生物資源を買ったり食べたりするのを控えるのも、消費者の社会的責任の一つだと思う。

 すべては市場にまかせろなんてのは、資源と環境の限界を理解していなかった頃の時代遅れの考えである。本当に賢い消費とは何かを考えないと、もうすぐ、すべてが台無しになってしまう。結局は回り回って自分自身か、あるいは将来の人たちの首を絞めていくのだ。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-27 10:07 | エコエコノミー  

<< もうむちゃくちゃ またまた“新しいヒト”発見のニュース >>