管理者へのメール / 管理者のプロフィール


太陽熱温水器無料撤去!?

 この猛暑も、自然エネルギー利用者にとっては恩恵で、わが家も屋根の真空貯湯型温水器のおかげで、ここ1か月ほどはガスをほとんど使っていないはずだ。もっともこの暑さでは、熱い湯船に浸かる気もしないし温水のシャワーもいらないが……。

 そんななか、郵便受けに一枚のチラシが入っていた。「50名様限定で太陽熱ソーラーを無料撤去」とある。太陽熱温水器が故障したりして不要になった場合、工務店などに頼んで撤去してもらうと最低でも5万円程度かかる。それを無料で撤去してくれるというのだ。

 太陽熱温水器・ソーラーシステム(屋根の上に貯湯槽をもたず、熱交換して地上の貯湯槽に熱をためるタイプ)は、かつて日本の住宅の多くの屋根にのっていた。90年代初めが出荷のピークで、その後は市場がどんどん縮小していった。最近は少し盛り返しているようだが、いまや「ソーラー」と言えば太陽光発電の方で、太陽熱利用はわざわざ「太陽熱ソーラー」と書かないとわからない。

 で、太陽熱温水器・ソーラーシステムの耐用年数は15〜20年とされるから、大量設置時代のものがそろそろ耐用年数を迎えているのだ。実際、伺ってみると「のってはいるけど使っていない。はずすのにお金がかかるから」というお宅は少なくない。太陽熱温水器の“デッドストック”は相当あると思われる。つまり潜在需要は大きい。

 くだんのチラシ、続きがあって、ヒートポンプ給湯器「エコキュート」導入が条件なのだ。つまり新手のオール電化のセールスなのである。効率がよいとはいえエコキュートは電気で作動する。電気を起こすには化石燃料や核燃料を燃やす。発電所ではCO2や核廃棄物が出ている。発電と送電の際のエネルギー損失を考えれば、実態はガス給湯器を使うよりややいい程度でしょう。これに対して太陽熱の方は無尽蔵の太陽エネルギーの4〜5割を熱に変えてくれる。COP(成績係数)で比べるのは意味がないが、あえて言えば、投入エネルギーがほとんどないのだから無限大に等しい(ソーラーシステムの場合にはポンプ作動などに電気を若干使うが、これも小さな太陽電池で作動させられる)。

 日本の家庭のエネルギー需要のうち3分の1強がお風呂の給湯用で、2割以上が暖房用だ(2007年の全国平均。出典:住環境計画研究所編『家庭用エネルギーハンドブック(2009年版)』)。どちらも50℃もあればいい。太陽熱を活用するのに最も適した用途だと言える。適材適所、わざわざ質の高い電気を使う必要はない。

 太陽光発電ばかりがもてはやされ、効率のよい太陽熱利用が隅に追いやられる“オール電化国家”など見たくもない。国や自治体は、太陽熱温水器やソーラーシステムを更新する家庭に、補助金を出すべきではないだろうか。
[PR]

by greenerworld | 2010-08-21 11:05 | 環境エネルギー政策  

<< ムキムキしちゃいました 暑いなう! >>