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チンチロリン

 あれ、マツムシが鳴いている。チンチロチンチロチンチロリン……って。唱歌を歌っている場合じゃありません。日本の野山からはマツムシが暮らせるような環境(主に採草地=草刈り場)は消え、田畑のあぜは農薬がまかれて、日本人に古くから親しまれて来たこの虫は、すっかり珍しくなってしまった。いまじゃ、マツムシと言えば外来のアオマツムシが樹上で鳴くばかり。

 先日、実家に1泊した際、床につくと近くの畑からコオロギの声に混じって聞こえるのは、紛れもなくチンチロリンと鳴くマツムシの声。ついその声にひかれて表に出ると、茶畑の上を移動しながら鳴いているのだった。1匹や2匹ではない。少し離れた畑からも、裏手の斜面からも聞こえる。

 はて、子どものころにだって、マツムシの声を聞いた覚えがない。いやそのころは虫の声なんぞに興味はなかったから、聞き流していたのかもしれない。殺虫剤もそれほど使わなくなったし、細々と生き残っていたものが復活しつつあるのか。十三夜の月の下、しばし贅沢なひととき。

by greenerworld | 2010-09-24 21:11 | 花鳥風月  

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