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ノーベル賞、喜んでばかりいられない

 尖閣諸島での中国漁船衝突事件以降、中国政府の対応に憤っていた人たちは、先週北欧から届いた知らせに溜飲を下げたことだろう。ノーベル化学賞は日本人2人がダブル受賞して国民は沸き立った。一方、ノーベル平和賞には、中国人の劉暁波氏が選ばれた。中国の民主化を求める活動家であり、現在服役中。やはり民主化運動の活動家である馮正虎氏のツィッターによると、中国系のノーベル賞受賞者は11人いるが、中国国籍をもつのは、やはり平和賞を受けたダライ・ラマ師と劉暁波氏の2人だけだそうだ。中国政府にとっては、中国国内在住で生粋の中国人の受賞は初めてなのに、それが反体制の囚人に贈られたのだから面目丸つぶれだ。

 方や、日本系の受賞者はこれまで18人。うち南部氏をのぞいて日本国籍である。しかし、その対象となった業績自体は過去のものだし、南部氏以外にも、湯川秀樹氏、利根川進氏、下村脩氏、根岸栄一氏はいずれもアメリカの大学・研究機関に所属、他の多くの受賞者もアメリカでの研究生活の経験がある。ノーベル賞受賞者を輩出しているアメリカの底力がそこにある。

 日本は科学技術立国と言いつつ、大学院修了者に就職はなく、科学技術分野予算は削られ、大学研究者は少ない研究費をやりくりし、学会出席もままならない始末。科研費などの競争的資金(コンペによって支給が決まる)も、基礎研究より実業にすぐに役立ちそうな研究が優先される。ダブル受賞に浮かれていられる状況ではない。GDPに加えてノーベル賞受賞者数でも中国に抜かれる日は遠くないかもしれない。もっとも中国政府首脳はしばらくノーベル賞のノの字も見たくないかもしれないが……。

 中国から優秀な若者をひきつけられるような国になることが、“尖閣の恥を雪(すす)ぐ”ことになるのではと思うが、どうなんでしょう理系の菅さん。
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by greenerworld | 2010-10-11 13:14 | 森羅万象  

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