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RE電力全量買取へのハードル

 資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会内の買取制度小委員会で、(固定価格による)再生可能エネルギーの全量買取制度について検討が行われている。すでに7月の段階で、発電事業用も含めて実用化されている再生可能エネルギーを全て買い取り対象とすること、基本は全量買取だが住宅用太陽光発電は従来どおり余剰電力のみの買取という大枠が出されており、9月以降は詳細面を具体化しながら委員の意見聴取を行う形で進められている。10月20日の第7回委員会は、買取対象と範囲がテーマ。

 まず買取対象については、「実用化されている再生可能エネルギー」として、太陽光、風力(小型を含む)、3万kW以下の中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電(他用途での利用に著しい影響のないもの)としたうえで、実証段階にあるものは当面対象としないという考えが示された。洋上風力発電も日本ではいまだ実証段階にあることから、対象から外された。ヨーロッパではすでに普及段階で技術的にも確立されているが、日本では本格的な洋上風力は現在茨城県沖で実証機の設置が計画されているのみ。海洋温度差発電、潮力発電、色素増感型セルによる太陽光発電も対象外。これらは研究開発や実証の支援に重点を置くという。

 住宅用太陽光発電については、現状どおり余剰電力のみの買い取りの方向で、これは省エネインセンティブに配慮したという理由になっている。つまり太陽光発電を設置した家庭は余剰分をより多く売ろうとして節電に努めるという訳だが、全量買取にしたら節電しないという理屈はない。結局は車と同様に耐久消費財として売られている現状、システムが混在して複雑になること、への配慮(誰に対する?)が働いたのだろうか。固定価格買取制度はそもそも再生可能エネルギー発電を「事業として」成り立たせ、導入を促進するためのもの。ブログ子は、個人の住宅の屋根にのっていようとも太陽光発電システムは地域のエネルギーインフラと考える。本来はすっきりと全量買取に一本化すべきだろう。それに黙っていても、「屋根借り」による発電事業を始めようとするものが出てくるだろう。発電事業と個人の設置をどこで線引きするのか。

 小型風力は、買取対象に含まれる方向だが、太陽光と組み合わせた場合、エネファームとの併用同様、“ダブル発電”として現状のように冷遇されることになるのかは、まだ不透明。

 木質バイオマス発電も課題が多い。資源エネルギー庁側でも、製紙や製材などのマテリアル用途と競合しない、森林や生態系の破壊にならない収集・運搬、実質的にCO2の削減になる、などの前提を示しているが、それをどう担保するのか。製紙チップなどでも、海外で違法伐採や大規模森林破壊につながる伐採起源の原料の排除ができていない。違法伐採起源のチップをどう見分けるのか。森林認証のようなしくみを作ったとしても、その検証は難しく、きちんとやればやるほどコストがかかる。まさかICチップを埋め込むわけにもいくまい。当面は、搬出されていない林地残材や切り捨て間伐材に限定することになりそうだが、それでも厳密な「監査」が必要になろう。

 木質バイオマスでもう一つ気になったのは、発電効率の議論がないことだ。木質バイオマス発電は小規模であること、高温蒸気を作るのが難しいことから発電効率が低い。せいぜい20%台の前半がいいところではないか。発電効率に一定の制限を設けないと、せっかくの再生可能資源をむだに使うことになる。むしろ熱と電気のコジェネレーションを条件にすべきだと思う。熱利用が主で、総合効率が7〜8割あれば、発電効率をうるさくいう必要はない。木質バイオマスは本来、低〜中温の熱利用に向いた燃料なのだ。
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by greenerworld | 2010-10-21 09:37 | 未分類  

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