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太陽熱「仕分け」さる

 昨日のエネルギー特会関連の事業仕分け、ストリーミング中継を見ていなかったので、今日あらためて行政刷新会議のサイトで議事録を読んでみた。まず経産省と環境省の棲み分けのわかりにくさについては、ご指摘の通り。誰にもよくわからない。新エネルギーとなれば経産省だと思うが、省エネは産業政策としては経産省で、環境対策としては環境省。新エネも温暖化対策に結びつけば環境省がやる。元々エネルギー特会は、環境税導入を避けたい経産省が、エネルギー関連税制のグリーン化を持ちかけて、環境省がそれに乗ったかたちで両省の所管となった。経産省は「環境対策として使う分」を環境省に譲り渡した。しかし、彼ら(環境官僚)はこれまでこうしたまとまった事業予算を組んだ経験がないものだから、実に無駄な使い方をしてきたのも確かだ。

 環境省が太陽熱をやっているのも、まあ落ち穂拾いのようなものだ。しかし太陽熱を何とか普及させたいと考えている我が身としては、太陽熱リース事業の仕分け結果(予算計上見送り)には異議がある。太陽光発電はせいぜい10数%のエネルギー変換効率だが、太陽熱は50%ほどになる。給湯(風呂)と暖房合わせると、家庭のエネルギー消費の5割ほどを占めるが、これはせいぜい50℃あればいい低温の熱で、太陽熱のもっとも得意とするところだ。

 これはほとんど国を挙げてといってもいいくらいの勢いで進んでいる「オール電化社会」へのアンチテーゼでもある。90年代半ばの訪販問題などで評価がぼろぼろになったあげく、国もメーカーも予算を太陽光発電にシフト(今太陽光をやっているメーカーのほとんどはかつて太陽熱温水器を売っていた)。そんな中で太陽熱を続けてきた業界は何とか機器やシステムを普及させようと、苦心惨憺してきた。今太陽熱はBL(ベターリビング)認定もあり、品質を始め設置やアフターフォローへの対応も整っている。しかし、市場が縮小してしまった中では規模の効果がなかなか出ず、太陽光の余剰電力高額買取も導入される中で、太陽熱はますます不利な立場に置かれた。リース事業もそうした苦境から出てきたアイデアだ。台数が出ればシステム価格が下がり、補助金なしで離陸できるとの試算があり、その助走を助けるためのまともな事業だったのだ。しかもリース事業はメンテナンス・回収処理がきちんとできる。仕分け会場では環境省側がこれをきちんと説明できたのか。メンテナンス、耐用年数を過ぎた機器の廃棄処理など、かつて太陽熱温水器で問題になったことはこれから太陽光発電で問題になる。そのためにも必要なビジネスモデルだったのだが……。

 ガタガタの民主党政権にとって、事業仕分けは数少ない失地回復の場のようだが、すでに国民の熱は冷め、議員のパフォーマンスとしてもかなりイタい。事業仕分けにも仕分けの必要があるんじゃないの? それとも、オール電化を進めたい電力業界の思惑を受けた仕分けだったのか……。
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by greenerworld | 2010-10-30 10:11 | 環境エネルギー政策  

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