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ホモ・サピエンス(知恵の人)への道

 現生人類(ホモ・サピエンス)の一部がデニソワ人と交雑していたという内容の論文が、英科学誌「ネイチャー」に掲載された。デニソワ人は南シベリア(アルタイ山脈)のデニソワ洞窟で骨や歯の一部が発見されたホミニン(ヒト族)で、3万年ほど前まで生きていたと考えられている。http://greenerw.exblog.jp/13208423 ところが、その後採取された核DNAを調査し、さまざまな地域の現代人のDNAと比較すると、パプア・メラネシア系の人々のみがDNAの21分の1(4.8%)をデニソワ人から受け継いでいることがわかったという。パプア人が他の現代人グループから別れた後で、デニソワ人と交雑したということになるが、その時期も場所も不明だ。

 デニソワ人とはどういう人類だったのか。まだたった1例の発見で詳しいことは何もわかっていないが、アジアで独自に進化したホモ・エレクトスの子孫だったのだろう。もしかするとアジア全体にかなり広く分布していたのかもしれない。東南アジア島嶼部は氷河期に陸続きとなっっていた(スンダランド)が、そのどこかで生き延びていた小集団のデニソワ人とパプア人の祖先が交雑したと考えるのが、すっきりとする。あるいは島嶼化した後という可能性も否定できない。

 ミトコンドリアDNAの分析からは、サピエンスとデニソワ人とは百万年前に分岐したとされている。子孫を残せたということは、種の定義からするとサピエンスとデニソワ人は少なくとも亜種関係で、ホミニンの分類を根本的に見直さなければならなくなる可能性もある。現代人へと至る道には、ホミニンどうしの交雑がしばしばあったのかもしれない。
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by greenerworld | 2010-12-26 11:13 | 森羅万象  

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