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石油枯渇に備えよう

 2008年夏にはいったん140ドル/バレル(NYMEX・WTI先物)超まで上昇した原油価格だったが、リーマンショックで急落、しかしここへ来てまたじわりじわりと上昇している。年末年始には90ドルを超え、投資家のブーン・ピケンズは、今年中に120ドル/バレル突破もあり得るとロイターのインタビューで語った。

 背景にはもちろん景気回復、とりわけ中国やインドの経済成長に伴う旺盛なエネルギー需要があることは間違いない。しかしもう一つの要因として、昨年11月にIEA(国際エネルギー機関)が「World Energy Outlook」の中で、在来型の石油生産量は2006年にピークを迎えた可能性が高いと発表したこともあげられるのではないか。OPECに対する石油消費国クラブであるIEAがこのような発表すること自体、確実に一つの時代の節目を感じさせるが、世界最大の産油国で同時に世界最大の原油埋蔵量を持つサウジアラビアに関しての、さらに気になる情報が、最近WikiLeaksによって明らかにされた。

 すでにサウジの産油量がピークアウトしないまでも、かなり採掘にコストがかかるようになっているのではという噂は数年前からあった。WikiLeaksの情報ソースはアメリカ外交筋の2007年の外電で、サウジの国営石油会社アラムコが、次の10年間原油価格を安定させうる日量1250万バレルを下回る1200万バレルしか生産できないと、アラムコの元開発部門長で取締役でもあったサダド・アル=フセイニ氏が語ったという内容。この話の核心は、サウジが原油埋蔵量を水増ししていた、というところにある。それも3000億バレル=現在の埋蔵量の4割もの莫大な量である。

 アラムコでは、現状で7160億バレルの埋蔵量のうち51%が採掘可能であり、新しく発見される分を含めると今後9000億バレルの埋蔵量が見込まれ、採掘技術の進歩でそのうち70%が採掘できるようになるだろうとしていた。しかし、アル=フセイニ氏はこれを否定、7160億バレルのうち3000億バレルは推測に過ぎないとし、元々の埋蔵量は3600億バレルであり、その半分を採掘した時点で産油量の低下が起こり、それを止めることはできないと語ったという。サウジはこれまですでに1160億バレルを生産しており、1200万バレル/日の生産を続ければ、14年以内にその局面に到達し、その後はどのような努力をしても生産量低下が避けられない。

 以上が2007年の外電。さらに2009年の外電では、中国やインド、産油国自身の経済成長による石油需要の高まりによる需給の逼迫が原油価格を押し上げていることを指摘、今後需要はますます高まり価格上昇の要因となる。新規に発見される油田は既存油田の生産減少を補うには不十分だとも言う。

 ソース:http://pragcap.com/wikileaks-peak-oil-is-real

 原油価格の安定はこれまでサウジの油田が支えてきたと言っていい。サウジの石油産業の中枢にいた人物の話だけにこの内容には真実味がある。石油文明の崩壊はすでに始まっているのかもしれない。少なくとも安い石油の時代は終わった。黄昏まであまり時間は残されていない。何をなすべきか考えよう。
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by greenerworld | 2011-02-10 00:10 | エネルギー  

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