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福島県の農地の汚染度マップ

 はじめに、東電原発公害関連のイベント2つ。

■「原発震災から子どもたちを守れ!~専門家・市民による独立放射能汚染調査報告と要請~」4月13日15:00〜16:30 衆議院第2議員会館多目的会議室/FoE Japan他主催

■「大震災とTPPから明日を考える連続講座」4月12日、19日、26日。エコ・コミュニケーションセンター(ECOM)。第2回で原発とこれからの社会について話します

 さて、本題。4月6日に福島県農林水産部から、県内の農地70か所(水田・転換畑58か所、樹園地・畑12か所)の放射性物質測定結果が発表された。

http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/seiikugijyutsujyouhou.html

 発表されている値はセシウム134とセシウム137だけで、単位はkg当たりベクレル。土壌サンプリングの深さは文科省の5cmと違い、15cmだという。これは作土の深さを考慮した農水省の基準だそうで、同じ国機関でありながら測定結果を単純に比較できないのは困った話だが、まだセシウムは5cm以深には移行していないと思われるため、とりあえず農林水産部の値を3倍すれば文科省の値と比較できよう。

 下図は県発表のサンプリングポイントの地図にセシウム密度(134と137の合計)を面積比で表した円をのせてみたものである。福島第一原発から30km圏内はサンプリングがなく空白だ。
福島県の農地の汚染度マップ_f0030644_7305155.jpg
 最小の値(西会津町)の面積を最初に決めたため、密度の大きいところは重なり合って見にくくなってしまったが、大まかな傾向はわかる。飯舘村の南部を最大として、中通の県央〜県北にかけて、密度の高いところが多い。

 前回の記事(「もし3月15日、東京に“なごり雪”が降っていたら…」)でも書いたように、これまで最大の放射能放出があった3月15日は、おそらく南〜南南東に向かった放射能雲と、北西に向かった放射能雲があったと思われる。確証はないが、南に向かった雲は2号炉の爆発格納容器損傷の際の、北西に向かった雲は4号炉の火災の際のプルームかもしれない。あるいは一連のプルームが分かれたのかもしれない。いずれにせよ、南に向かった雲は東京付近まで南下した後、風向きが変わり内陸部を北上。中通を通って福島市付近にまで達した。北西に向かった雲はゆっくりと漂いながら飯舘村付近にまで達した、という動きが考えられる。

 セシウムは、その時間帯に雨または雪が降っていたところに、高濃度に降下・沈着しているのである。中通りで言えば、郡山から福島に掛けてのセシウムは、いったん南に下った雲が北上したものが起源だろう。

 あらためて、「もし3月15日に、東京になごり雪が降っていたら」、と考えずにいられない。

by greenerworld | 2011-04-08 08:07 | 3.11後の世界  

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