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点で面の安全は語れない:マイクロホットスポット

 「点で面を語る」これは往々にして陥りがちな過ちだ。取材でも当事者全てに話を聞くことはできない。被災地に入ってたまたま1人に「××が足りない」と聞き、被災地では「××が不足している」と伝えると、誤った情報になることもある。もちろんどうしたって全てのデータは網羅できない。だから科学的には一定のサンプルを取って、さまざまな手法を使い、点で「面を語らせる」努力をする。しかし、それでも実態を伝えきれない限界がある。

 ましてや、福島県の学校の土壌調査や放射線量調査は、学校の敷地内のさらに小さな点で行った調査である。この場合、被曝を防ぐために必要なのは実際に子どもたちが生活し遊ぶ場として、彼らの行動パターンも考慮し、きめ細かく汚染度を把握することだ。どこか1点の数字で全体の安全を主張するのはそもそも間違っている。

 私が実際に福島県内のあるお宅で調べた時には、敷地内でも放射線量に大きなばらつきがあった。屋根から雨水が滴る場所は、他よりかなり高い。雨水の集まる側溝も同様だ。最も高かったのは雨樋からの雨水を浸透させている花壇で、驚くくらいの数値だった。

 福島市内で調べられた例では、すべり台の下(すべり降りてきて足を着く場所)も高かったという。校庭の自転車置き場や遊具・運動具を入れる小屋の回りなども雨だれが滴り高くなっている可能性が高い。

 こうした「マイクロホットスポット」が、敷地内にもたくさんある。もちろん面積は狭くそこから離れれば線量は下がる。しかし子どもたちが比較的長く居続ける場所で、線量が高くなっている場所が確実にあるはずだ。子ども目線で、彼らの行動パターンに合わせて、きめ細かい調査をした上で、年間被曝量を見積もらなければならない。その上で初めて安全性に関する議論ができるし、被曝量を減らす対策をとることができる。

 この問題に関して、文科省や県は、まず点で面を語ることをやめるべきだが、このままでは彼らは動かないだろう。としたら自衛するしかない。学校敷地内の線量調査を進める市民グループの詳細な調査を期待したい。データを示して文科省や県を突き崩そう。
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by greenerworld | 2011-05-07 16:42 | 3.11後の世界  

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