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飯舘村再訪と今中先生の講演会

 6月4日、5日の両日、福島県飯舘村に一月振りに行ってきました。京大原子炉実験所の今中哲二助教、広島大学の遠藤暁准教授と一緒です。お二人は3月末の調査依頼の再訪です。

 今回は放射能汚染調査についての論文が岩波の『科学』6月号に掲載されたので、協力いただいた村にその報告をすることと、村民の皆さんに今中先生から調査結果、さらに今回の事故とチェルノブイリとの比較、放射線の影響などについてのお話をしていただくこと、それとフォローの調査が目的です。

 すでに計画的避難が進んでいて、8割は避難済みまたは避難先が決定済みとのことで、村内に残っている方が少なく、陽だまりの家での集会の参加者はあまり多くありませんでしたが、参加された方には有意義なお話が聞けたと思います。あらてめて内容についてはこのブログまたは「負げねど飯舘」サイトの方で紹介できるとおもいますが、取り急ぎ印象に残ったお話だけ箇条書きにしておきます。

 1)チェルノブイリの時は水蒸気爆発で核燃料そのものが吹き飛んだ。そのため放出された核種の種類が多い。今回の福島では、揮発性の物質が中心で核種の種類はあまり多くない。プルトニウムも出てはいるが、それほど遠くまでは飛んでいないし量も微量。

 2)チェルノブイリは内陸だったが福島は東半分が海。陸上に降った放射能の量はチェルノブイリに比べて少ないが、海の方にどう流れていったかはわからない。

 3)放射性セシウムの137(半減期30年)と134(半減期2年)の比率が、チェルノブイリでは2:1で137が多かったが、今回はほぼ1:1。

 4)ほぼ3か月たってヨウ素131はほとんど放射能がなくなっているので、今後問題になってくるのはセシウム。空間線量はチェルノブイリよりは早く減るだろう。

 5)今後住宅一軒一軒を含めて全体の細かい汚染レベルを把握すべき。

 6)健康リスクについてはよくわからない部分はなるべく危ない方に考えておくのがリスクマネジメントの考え方。とくに行政はそういう対応が必要。

 「きちんと調査をしなければそれはなかったことと同じになってしまう」という言葉に、科学者としての責任感を感じました。
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by greenerworld | 2011-06-06 20:38 | 3.11後の世界  

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