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311後のクルマの世界?

 2年に一度開催される国内最大の自動車展示会・東京モーターショー(一般公開日2011年12月2日〜11日)。例年は千葉・幕張メッセでの開催だが、2011年は東京ビッグサイトでの開催となった。集客を考えてとのことだが、実際には出展者が減り、ビッグサイトでも対応できるようになったということなのかもしれない。ただリーマンショックを引きずっていた前回2009年より、ヨーロッパ系メーカーの出展は増えた。

 少子高齢化に加え、若者のクルマ離れが進み、縮小する日本の自動車市場。石油価格上昇や地球温暖化問題も追い打ちをかける。そこを乗り越えるコンセプトがどこかのメーカーからか出てくるかと期待しているのだが、もともとがクルマ好きの集団である既存の自動車業界にそれを求めるのはなかなか難しいのかもしれない。

 トヨタがRe Bornをコンセプトに掲げ、大人になったドラえもんとのび太の世界をCMで描いて話題になっている。しかし、人気のキャラクターを使って若者をクルマに惹きつけようと考えるより、車に興味のない若者にコンセプトづくりをまかせてみたらどうだろう。新しい乗り物について、もっと突き抜けた発想が出てくるのではないかという気がする。

 会場を回って、2000年代前半にあれほどもてはやされた燃料電池車(FCV)が目立たないことに気づいた。燃料の水素の原料や積載の問題、実質的な燃費など、現実的に考えると、FCVには課題が多く、決して“究極のエコカー”とは言えない。現実的な選択としては、ハイブリッド車(HV)とその先にあるプラグインハイブリッド(PHV)だろう。

 ハイブリッド車は各社が出展し普通の車になってきたけれど、まだ先行2社(とくにトヨタ)と他社の間には差が大きい。これは内燃機関車(ICEV)の燃費を向上する技術と考えればよいが、小型量産車に搭載している限り燃費は40km/㍑くらいが上限だろう。

 これに対して、充電もできるプラグインハイブリッド車(PHV)が来年1月末にいよいよ上市される。トヨタのプラグインプリウスだ。近距離走行ではバッテリーEVとして、中長距離ではガソリンを燃料にHVとして走るツインモード。燃費は充電分と合わせて61km/㍑という。現行の車の延長としてはこれが当面の解だろう。

 だがPHVはエンジン、ガスタンク、モーター、バッテリーとたくさんの装備を積載するので、重量もサイズも大きくなる。クルマの空気抵抗は速度の3乗に、接地摩擦抵抗は重量に比例する。当然その分効率は悪くなるわけだ。PHVは実はこうした矛盾も抱えている。

 電気自動車(EV)はエンジンとガソリンタンクを積まない分、コンパクトにできる。しかし、航続距離を伸ばそうと思えばバッテリーをたくさん積まなければならない。そうすると重量が増え、車体も大きくなり燃費が悪くなる。EVに限らないが、遅く軽いほど燃費はいい。だがとくにEVではどのような使い方をするのか、シーンを考えた提案が必要だ。

 以前からあったコンセプトではあるが、三菱、日産、ダイハツが展示していたのが前後2人乗りのタウンコミューターEV。しかし日本ではこのタイプの乗り物は車検を通らず、公道を走れない。フランスには免許の要らない「クワドリシクル」というジャンルがある。軽自動車と自転車の中間の位置づけ。これはEVに向いている。日本でも規制緩和が必要だろう。ダイハツ自動車のコンセプトモデル「Pico」の前で解説員を務めていた、同社の北川尚人取締役は「こうした規格の乗り物が日本で走れるようにしたい」と言う。都市部では買い物や送迎など1回数km、1日合計でも20〜30kmという利用である。今この分野は軽自動車。規制緩和されれば、EVクワドリシクルがそこに取って代わる可能性は高い。

 ところで、「311後のクルマ」という提案は、残念ながら見あたりませんでした。
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トヨタのプラグインプリウス
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日産New Mobilityコンセプト
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ダイハツPicoコンセプト
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by greenerworld | 2011-12-01 18:12 | エネルギー  

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