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除染の現実

 福島県飯舘村役場前の植え込みの写真を見ていただきたい。環境省が昨年自衛隊に依頼して行った除染の結果だ。表土をはぎ、汚染された土を除去した結果、マツの根は無残にもむき出しになり浮いてしまっている。放射性セシウムは比較的表面にとどまっており、表面から5~10cmを取り除けばいいとされているが、地形や土質などの条件によりそれだけではすまない。十分に除染の効果を上げようと思えば写真のような有様になるわけだ。さらに、枝葉を切り、幹には高圧洗浄をかける。このあとこの木がどうなるのか、結末を見届けたい。これだけやっても空間線量は半分程度にしか下がっていない。
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 人工的な植え込みでさえこんな状況だから、山だったらいったいどうなのか。飯舘村は4分の3が林野。村の計画ではそこを20年かけて除染することになっている。表土をはぎ、枝を徹底的に落とし、幹は高圧洗浄する。そんなことをしたら、山の生態系は壊滅的だ。このあたりは古い花崗岩地帯で、表土の下はさらさらした砂質土なので、山崩れも起きるだろう。そもそも1万7000ヘクタールもある林野で、そんなことができるのか。さらに、今回の事故で汚染されたセシウム137が30万ベクレル/㎡以上の土地のうち、林野面積は13万8000ヘクタールにも及ぶのだ。

 飯舘村内の小宮地区に、道ばたに土がうずたかく積み上げられている場所があった(写真下)。村民の話では山の斜面から落ちてきて側溝などにたまった土を除去したあと、持って行き場がなくここに「捨てた」らしい。近づくと線量計は20マイクロシーベルト/h以上を示した。近くの側溝からあふれた土を測ると、やはり20マイクロシーベルト/h以上。こんなところが飯舘村内のあちこちにある。道路・居住区を先に除染したとしても、山から汚染された土や落ち葉は流れてくるのだ。
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 内閣府の除染モデル事業の報告書もアップされたが、それを見ても除染の効果が限定的だということがわかる。いったい誰のための除染なのか。少なくとも被害住民のためではなさそうだ。除染はいつまでたっても終わらない。いやそれだからこそ、除染は「打ち出の小槌」なのか。

 原発事故は収束などしていないし、被害者たちの置かれた状況は全く改善されず、むしろ放置されたままだ。いf0030644_9404255.jpgま必要なのは、安全で安心できる避難先を確保し、そこでの生活と仕事、コミュニティの再建に力を尽くすことではないだろうか。除染すれば復興できるというその掛け声は、この事故を矮小化し、原発再開への道を開こうとするものに聞こえてならない。


飯舘村 6000人が美しい村を追われた』七つ森書館

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by greenerworld | 2012-04-06 09:56 | 3.11後の世界  

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