管理者へのメール / 管理者のプロフィール


除染予算だけが粛々と消化される

 7月8日~11日と飯舘村に滞在した。村内でも高線量の小宮地区や長泥地区では農地のモデル除染が続いていた。小宮地区の除染工法は以前よりは効率的に行われているように見えたが、それでも炎天下、防護服を着ての作業は見ているだけで気の毒になる。聞けば熱中症で倒れた作業員もいると聞くが、それもむべなるかな。一人の作業員は宮崎からやってきたといい、伊達市にある旅館から毎日通っているという。元請はゼネコンだが実際の現場作業は、下請の企業が雇った作業員によって行われている。
f0030644_20563961.jpg

 除染された土は黒いフレコンバッグに詰め込まれる。黒い袋はインド製と中国製だった。袋には(たぶん)除染された場所の空間線量率が記されていて、4.0とか7.0と読める。
f0030644_20571041.jpg

 ところがこの除染土の行き先がない。国は除染する方針は出しているものの、最終処分場はおろか中間処分場する決まっていない。各自治体に仮置き場を設けることになっているがこの建設が進まない。その中でモデル除染事業だけは粛々と進められるため、どこかに置かなければならない。飯舘村の場合は、一般廃棄物処分場であるクリアセンターに持ち込まれている。“仮仮置き場”である。クリアセンターに行ってみると大手ゼネコンの差配で運ばれたフレコンバッグをクレーンで何段にも積み上げる作業が進んでいた。
f0030644_2059563.jpg

 豪雨があれば崩れて流れ出すのではないか、この暑さで中の有機物が発酵し発熱したり、メタンが発生したりするのではないかと心配になる。そもそも一般廃棄物処分場は、放射性廃棄物を保管する場所ではないはずだが……。

 除染は表土5cmでよいとされるが、水田ではそうはいかない。この1年3か月の間に伸びた雑草の根も深く食い込んでいる。10cm以上はぎ取らねばなるまい。それでも空間線量(地上1m)は除染した水田の上で、除染されていないところで。確かに下がってはいるのだが、まだ放射線管理区域の基準よりずっと高い。

 だいいちこの先除染が進めばこの何万倍もの除染土が発生する。この膨大な量の除染土を置く場所があるのだろうか?

 先のことは何も決まらないまま予算がついた除染事業だけが進んでいく。除染作業員は全国から集まってきている。炎天下で防護服を着てマスクをして肉体労働をする過酷な作業だ。後先を考えない行き当たりばったり、泥縄の対応が、原子力発電そのものとかぶって見える。
[PR]

by greenerworld | 2012-07-27 21:00 | 3.11後の世界  

<< 原子力規制委員会人事に重大な問題 除染の現実 >>