お茶の実と太平洋戦争
2014年 12月 19日
父の従兄弟は先の戦争時、掛川にある母親の実家(つまり私の実家)に疎開していた。その時に軍の命令で茶の実集めをさせられたというのだ。チャノキはツバキの仲間で、冬に果実の外皮が割れて中に2〜3個入っている実がこぼれる。硬い殻に包まれた実には油分が多く、それを搾って燃料にしようとしたらしい。
「今で言うバイオマスエネルギーやな」
エンジニアだった父の従兄弟が言う。
「そんなもん集めたかて、どないもならんと思うけどな」
たしかに子どもらが歩いて集めた茶の実の量など知れたもので、実際に使われたかどうかもわからない。それでも子どもたちは日本の勝利を信じて茶畑を歩き回っていた。ちょうど70年前の今ごろの季節のこと。
by greenerworld | 2014-12-19 09:25 | 花鳥風月