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温暖化と森林火災のスパイラル現象

 地球温暖化、気候変動というと日本では豪雨による水害や台風の大型化が話題になるが、ヨーロッパや北米では干ばつや山火事が大きな関心を呼んでいる。2003年の夏にはスペインやポルトガル、フランスなどで山火事が相次ぎ、今年もスペインやカリフォルニア州などで山火事のニュースが伝えられた。夏にモンスーンの影響を受ける日本と違い、大陸の内陸部や西側では気温が上がれば湿度が下がる。落雷や失火、放火による山火事の危険が高まる。

 英国ブリストル大学の研究者たちが予測したところによれば、人類が二酸化炭素の放出をストップさせた場合でも、世界各地で森林が消失する(2℃以下の気温上昇で30%の可能性、3℃以上の気温上昇なら60%以上の可能性)。半乾燥地帯では森林火災が起こりやすくなり、陸水の減少、干ばつが西アフリカ、南ヨーロッパ、米国東部で起こりやすく、逆に北緯50度付近、熱帯アフリカ、南米北西部では森林が失われることで洪水の危険性も高まるという。

 気温が3℃以上上昇した場合、陸上の炭素シンクが蓄積された炭素を放出し、大気中の二酸化炭素濃度を上昇させる「正のフィードバック」が始まるという。つまり温暖化にはずみがつくことになる。



 米科学誌「サイエンス」には、1980年代半ばに米西部の標高2100mより低い地域で森林火災が顕著に増加したこと、その原因として雪解けが早まり、春から夏の乾燥期が相対的に長くなっていることや夏の気温上昇を指摘する論文が掲載された。半乾燥地域では、根雪の存在が森林火災を防ぐのに役立っているが、雪のない期間が長くなって火災の危険が増加したという。

 地球環境はさまざまな要因のバランスの上に成り立っている。過去にも二酸化炭素の増減は気候変動に影響を与えてきたが、逆に気候変動が二酸化炭素の増減に影響を与えるという相互の作用がある。多くのメカニズムが同時にあるいは時間差をもって働くのだろうが、中〜高緯度地帯での森林火災も無視できない要因として浮かび上がってきた。南米や東南アジアの森林開発の影響も小さくないはずだ。

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by greenerworld | 2006-08-21 10:55 | 気候変動  

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