原発1基分を節電できるLEDナツメ球
2006年 09月 12日
ただ、このナツメ球はあくまで白熱電球であって、小さいながらも消費電力は5Wもある。電球型蛍光灯なら8Wもあれば十分に部屋全体を照らすことができる。このナツメ球を、目をつぶっている間に点灯し続けているのはいかにももったいないと思っていたのだ。
数年前、秋葉原で発光ダイオード(LED)を使った口金サイズE12(ナツメ球と同じ、ちなみに口金サイズを表すEはエジソンの名前から来ています)の小型電球を見つけたが、価格は2000円ぐらいした。いくらLEDは効率が高いといっても、通常100円程度で買えるナツメ球に2000円も出す消費者はまずいないだろうと思った。
最近、近所のスーパーの電気器具売り場で見つけたものはLED3個を使って、明るさもまずまず。消費電力はわずか0.5W。価格は高輝度タイプで税込447円だった。
1日8時間点灯するとして1年で消費電力は1.46kWhということになる。これに対して従来タイプは14.6kWh。その差13.1kWhを電気料金にすると、年間276円節約できる(21円/kWhとする)。ナツメ球の価格を加えると、1年3か月ほどで元が取れることになる。LEDは白熱球に比べずっと寿命が長いので、はるかに経済的だ。わが家ではLEDナツメ球に全て取り替えることにした。
そこで考えてみた。一軒の家庭でナツメ球が3〜4か所で使われていると思われる。仮に平均を3.5個として、一軒で使われるW数は17.5W。これに2005年の国勢調査の速報値4953万世帯を掛けると、なんと86.7万kWとなる。これが全てLEDタイプに替われば、78万kW分の発電所に相当する省エネルギーになる。ちなみに東電の福島第一発電所の2〜5号機の出力がそれぞれちょうど78万kW。これは大きい。
ただし、ナツメ球の点灯している時間帯は、電気が余っている。原発は一度運転させると、電気が余っていようが、点検かトラブルがあるまで止めることをしない(できない)からだ。夜間電力の省エネルギーを電力会社は歓迎しないだろう。「電気を大切に」と言いながら、本音のところはこの時間帯にはもっともっと使ってもらいたいのだ(もちろんその方が売上も大きくなる)。だから時間帯別料金制度があり深夜電力が安い価格で売られている。原子力発電などの大型発電システムは、省エネルギーの努力を無にしかねない。
しかし、時間帯別契約をしている家庭でも、時間はかかるけど、少なくともコストは回収できるだろう。できる限り原発の電気を使いたくないわが家としては、昼夜を問わず節電に努めるとしよう。
by greenerworld | 2006-09-12 14:32 | エネルギー