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環境省がつくば市に交付金返還命令!?

 茨城県つくば市で、環境省の「平成のまほろば」事業を使って設置した小型風車がほとんど発電せず、事業が破綻してしまった。そこで、環境省がつくば市に対して交付金の返還を求めることを決めたという。

 再生可能エネルギーを少しでもかじっている人間には常識だが、風のエネルギーは風速の3乗に比例する。
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 つまり、風が強ければ強いほど、発電には有利である(ただしあまり強いと風車が壊れてしまう)。逆に風速がそれほどない場合、例え発電したとしても、その量はわずかだ。風車は回っていれば発電していると思っている人も多いし、少しの風でも発電することを売り物にしている小型風車もあるが、発電したとしてもごくわずかなものなのだ。上の図はある1000kW風車のパンフレットからとった発電特性を示すグラフ。X軸は風速、Y軸は発電出力である。図では風速12m/秒でようやくフルに発電する(それ以上は発電しないように設定してある)。風速9m/秒ではその5割程度、6m/秒では1割程度しか発電しない。発電量がいかに風速に依存しているかわかると思う。小型風車ではもう少し低速時の発電効率を上げるように設計していると思うが、それでも弱風でたくさん発電させることはできない。



 商用の大型発電風車の場合、地上高30mでの年平均風速が6m/秒程度あれば採算はとれると一般に言われている。これに対して、つくば市付近の風速は、NEDOの風況マップを見ると、年平均4m以下である。冬場には筑波下ろしが吹くかもしれないが、年間を通じると採算のとれると言われる風速の3分の2しかない。単純に計算(3分の2を3乗)しても、風速6m/秒の場合の3割以下しか発電しないことになる。しかも支柱をそれほど高くできない小型の風車であって、市街地に設置したのだから、実際にはほとんど回っていない状態なのだろう。

 理解できないのは、何でこんな計画が通ってしまったのかということだ。専門家でなくとも、少し風力発電のことをかじっていれば、おかしなことがわかる。つくば市は早稲田大学の調査を信用したというが、大学側だって専門家だから、まさか市街地に設置してこれだけ発電しますよといったとは考えにくい。つくば市の担当者は風力発電の入門書ぐらい読まなかったのか? それにつくば市の申請を受け付けた環境省は、専門家に確認しなかったのだろうか?

 今年の「まほろば」事業の採択が遅れているのは、申請された計画の二酸化炭素削減効果を検証しているからという話が洩れ聞こえてきた。ということはやはりこれまでは検証していなかったってこと? だとしたら、つくば市だけの責任ではないと思うが……。

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by greenerworld | 2006-09-26 13:04 | エネルギー  

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