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納豆騒動

 納豆文化圏からはずれた地域で育ったので、納豆には子どものころからなじみが薄かった。生まれ育った地域には浜納豆(甘納豆の入力ミスではありません。念のため)という、塩辛く少し酸っぱくて糸を引かない発酵食品があったので、普通の納豆の方をわざわざ「糸引き納豆」と呼んで区別していた記憶がある。

 だから納豆を日常食べるようになったのは、高卒後に上京してから。食べつけないものだったから、ほんとうは(実は今でも)苦手で、大学の学食で定食に納豆をつけていたのは、安くて栄養が補えるという実用的な理由。今でも家族には「納豆は薬だと思って食べている」と言っている。



 その納豆がダイエットに効くとテレビで放映されてスーパーの棚から消えてしまうほど売れていると聞いて、ばかげた話だと思っていたら、放送内容自体がでっち上げだった。今さらテレビにまともなジャーナリズムを期待することはないが、でっち上げはひどい。だがその姿勢を許しているのは、テレビで放映されたら納豆を買いにスーパーに走ってしまう視聴者・消費者ではないのか。これまでもゆで卵だ、リンゴだ、寒天だと思い出せないほどたくさんのダイエット食品や「何々に効く」という食品が紹介され、そのたびにその食品が品切れになった。当然、紹介されれば売れると番組への売り込みも激しくなる。そのあたりから、話がうさんくさくなってくる。テレビで紹介された食品は「裏がありそうだ」と思う方がいいし、そもそもそんな番組を視聴者が見なければ、淘汰されていく。商業メディアは大衆の質に合わせて番組や記事をつくるのだ。

 ダイエットの王道は摂取エネルギーより消費エネルギーを大きくすること。つまり、食べる量を減らすか、運動をたくさんするか、その組み合わせ。もちろん健康面からすれば組み合わせることが望ましい。何かを食べただけでやせるなんてことはそもそもまやかし(ただし寒天のようなノンカロリー食品で主食を置き換えれば、その分のダイエット効果はある)だし、ゆで卵ダイエットのような方法はむしろ栄養のバランスが崩れて健康を損ねるおそれがある。

 ちなみに、一昨年健康上の理由からダイエットを始めた。半年かけて8kgほど体重を落とした(つまりその分太りすぎだったってことです)が、その間にしたことは、少々の運動とカロリー管理(脂質と炭水化物を少し減らした)だけ。

 さて、今回の騒動で納豆と納豆業界には何の落ち度もない(1/24 業界団体には放映前に情報が伝わっていたという報道があった。だとすれば業界は同罪か)これからも納豆は「薬だと思って」食べ続けると思う。でも、毎日朝晩食べたりはしない。適度な運動と、旬の食べ物をいろいろ少しずつ、おいしくいただくのがいちばんの養生だと思うから。

 本日のモーツァルト的気分:String Quartet in F major KV 590 第4楽章 Allegro
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by greenerworld | 2007-01-21 11:08 | スローフード  

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