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ブッシュ大統領は「アルコール中毒」か

 一国の、それも世界一の強国アメリカ合衆国の大統領をこう呼ぶのはたいへん失礼だとは思うが、ブッシュ大統領はとうとう「アルコール中毒」になった、としか思えない。もともと酒好きだったようだが、いまは車の燃料としてのエタノール中毒だ。一年前の一般教書演説で、ブッシュ氏は「アメリカは石油中毒」と語り、輸入石油への依存が高まっていくことへの警鐘を鳴らした。しかし、その解決策は、石油を国産のトウモロコシを原料としたエタノールで置き換えていくことだった。

 1年がたち、民主党が議会の主導権を握り迎えた初めての一般教書演説(現地時間23日)の中でブッシュ氏が打ち出したのは、さらなるエタノール利用の拡大である。2017年までに自動車燃料であるガソリンの消費を20%削減することを国民に呼び掛けたが、そのために車の燃費向上とともにエタノール利用の拡大を求めているのだ。その量は昨年夏に打ち出した2012年のRFS目標75億ガロンから350億ガロンへ増加させるというもの。一方で燃費向上には具体的な数字はない。

 なるほど、アメリカでエタノールへの投資に火がつくわけである。これはもう早晩日本にアメリカ産トウモロコシが入ってこなくなるだろう。ほんとうに畜産品の値上がりを覚悟しなければならない。

 GMなどアメリカ自動車メーカーは、こぞってエタノールとガソリンの両方(混合)が使えるフレックス燃料車(FFV)を売り出しているが、これがまたばかでかい車ばかりなのだ。4千CC以上もあるミニバンやSUVを、食料や飼料になるトウモロコシから作ったエタノールで走らせるなど犯罪的行為だと思う。アメリカは正しくは「車中毒」だ。

 アメリカ国内における気候変動に対する危機感の高まりや議会の多数派を民主党が握ったことから、気候変動対策への言及もあるかと期待を抱いていたが、それはなかった。ガソリン以外のエネルギー対策もなし。石油はほとんどが自動車燃料に使われている。中東を始めとする海外の石油に頼らないことが、ブッシュ氏にとって最大の関心事ということらしい。支持率30%を割り、残りの任期2年をどうしのげるのか。気候変動を防ぐための国際的な議論の枠組みへの復帰は少なくともなさそうだ。

 頑な、というよりねじが何本かはずれている、という気がする。やはりアメリカ大統領には、いやアメリカ国民に対しても、失礼な言い方だが。そういえば、その大統領の忠犬と呼ばれた総理大臣もいたなあ。

本日のモーツァルト的気分:Violin Concerto No.1 in B flat KV207 第2楽章
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by greenerworld | 2007-01-24 23:01 | 環境エネルギー政策  

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