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バイオエタノールが増えると魚がとれなくなる?

 アトラジンはアメリカではトウモロコシ畑で大量に使われている除草剤だ。人間に対する毒性も指摘されるが、アフリカツメガエルに対して微量で内分泌攪乱(環境ホルモン)作用を持つという報告もある。そのアトラジンが、回り回って沿岸域の生態系を貧しくしている可能性があるという研究が、NOAA(アメリカ海洋大気局)のサイトに紹介されている。

 アトラジンの除草作用は、植物の光合成を阻害することで発現する。もう少し詳しく言うと、光化学系IIにおける電子の伝達を阻害することで、雑草は栄養不足に陥り枯れてしまう。植物プランクトンも光合成の機序を持っているので、水系に流れ込んだアトラジンが、植物プランクトンの光合成を阻害することがあり得る。すると、植物プランクトンを食べる動物プランクトンや貝なども少なくなる。さらにはそれに連なる魚類などより大型の動物も減ってしまう。

 日本でもゴルフ場などでアトラジンが大量に使われている。ゴルフ場大国で雨が多い日本では、アトラジンが河川にさらに沿岸域に相当量流れ出している可能性が高い。アメリカと同様のことは当然起こっているだろう。各地で問題になっている、海藻が消失してしまう磯焼けという現象も、原因はさまざま取りざたされているが、除草剤など農薬の影響があるかもしれない。海藻は魚や貝の食物となるだけでなく、産卵場や稚魚の隠れ場ともなる。

 太陽エネルギーを使って炭素を固定するのが植物の働き。その生産性が低くなり、沿岸生態系のベースが貧しくなれば、当然それに連なる生態系(水産資源)も貧しくなる。それはひいてはわれわれに降りかかってくる。「バイオエタノールが増えれば魚が減る」、「ゴルフ場が増えれば魚が減る」なんて話も、まんざらこじつけではなさそうだ。
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by greenerworld | 2007-01-28 10:38 | 環境汚染  

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