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ミツバチがいなくなった意外な原因とは?

 2006年秋以来、アメリカで養蜂業者の飼うミツバチが集団で突然いなくなる現象が起きていることは、以前当ブログでも報告したが、その原因として新たな説が浮かび上がってきた。それはなんと携帯電話だ。

 ミツバチの集団が消滅する現象はColony Collapse Disorder(CCD)と名付けられ、これまでさまざまな原因が取りざたされてきた。有力なものとしては、有毒植物、寄生性のダニ、農薬、遺伝子組み換え作物など。

f0030644_8301152.jpg ただ、巣の中にハチの死体がなく、出ていったハチが戻ってこない状態らしいのだ。巣に残されるのは、女王バチ、卵や幼虫、そして羽化したばかりの若い働きバチ。これだと確かに農薬やダニ、有毒植物などの原因は考えにくい。そこで週刊誌「AERA」4/23号には、「働かされすぎてストレスにより逃亡したのではないか」という説が紹介されている。アメリカでは養蜂業者のミツバチは果樹の授粉に蜂蜜集めにと長距離を移動しながら働かさせられ、蜜もほとんどを文字通り搾り取られる。これじゃやってられないよと、逃亡してしまうのだという。



 実際、ミツバチは条件が悪くなると巣を放棄して群れごと移動してしまうことが知られている。しかし、それなら女王バチもいなくなるはずだ。しかも、このCCDがアメリカだけでなくドイツ、スイス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシアなどヨーロッパにも広がり始めているとなると、ほかに共通の理由をさがさなければならない。

 そこで出てきたのが、携帯電話説。高圧電線の付近でミツバチが異常行動を示すことは以前からわかっていた。ドイツのランダウ大学ヨヘム・クーン教授の研究によれば、携帯電話が近くにあるとハチが巣に戻らなくなるという。携帯電話の発する電磁波が原因らしい。多くの国で携帯電話の中継アンテナが林立しているいま、ハチが巣に帰れなくなっているのだろうか。

 いずれが原因であるにせよ、ミツバチがいなくなれば困るのはハニートーストやホットケーキ好きだけではない。先にも書いたようにミツバチは多くの果樹や作物の授粉を行っているからだ。リンゴもナシもイチゴもトマトも豆類も、ミツバチなしで実を結ばせることを考えたら気が遠くなる話だ。多くの野菜も実やタネを結ばなくなる。

 もし携帯電話が原因だとしたら、どうします?

 参考:‘The Independent’ 2007.17.Apr.

本日のモーツァルト的気分:String Quintet No.3 in C major K.515 第1楽章

07/04/28 訂正:最初のバージョンでアインシュタインの言葉を紹介したが、本人が言ったものではないという報告(↓)があり、原典も探してみたが確認できなかった。アインシュタインが言ったという確実な証拠がなく、誰かがつくりあげた話が印刷物そしてネット上で流布してきた可能性があるため削除しました。

http://www.gelfmagazine.com/archives/albert_einstein_ecologist.php
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by greenerworld | 2007-04-19 08:41 | 生物多様性  

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