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懸念される中国の環境汚染

 中国政府は最近二つのレポート発表した。その一つ、初めての本格的な土壌調査によれば、年間1200万トンの穀物が土壌からの重金属に汚染されており、その経済的な損失は200億元(約3000億円)に上るという。汚染された耕地面積は全耕地の10%にも及ぶ。

 汚染の原因の一つが石炭プラントで、中国では年間20億トンにも上る石炭が燃やされているが、それによって石炭に含まれる2000トンもの水銀が環境中に放出されている。中国の石炭燃焼起源の汚染物質は、大気に乗ってアメリカにまで及んでいる。中国起源の水銀によってアメリカの土壌までが汚染されているというのだ。

 もう一つの揚子江の調査も気がかりな結果である。揚子江の10%の水域が危機的状況にあり、支流の30%はひどく汚染されているという。揚子江の生態系は回復不可能なほどダメージを受けており、1950年には42万7000トンあった揚子江からの水揚げは1990年には10万トンに低下してしまった。ダムの取水による水位の低下に汚染が加わって、水はどす黒い。食料だけでなく安全な飲料水の確保にも問題がある。

 経済成長の陰で深刻化する中国の環境破壊。中国国民の健康被害も表に出てている以上にひどいようだ。環境破壊のインパクトは世界に及んでいる。この時期猛威をふるう黄砂もその一つだが、日本は中国に近いだけに直接・間接にその影響を受けているはずだ。中国から輸入される多くの農水産物やその加工品も実体は不明。日本近海でとれる水産物の水銀汚染だって、その何割かは中国起源かもしれない。脅威としてとらえるだけでなく、隣人としてなすべきことを考えたい。

 参考:World Watch Institute:http://www.worldwatch.org

by greenerworld | 2007-04-27 08:37 | 環境汚染  

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