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総理 CO2半減社会を想像できますか?

 安部総理が日経新聞主催の会議で、2050年までに世界全体の温室効果ガス(GHG)排出量を半減させることを表明した。総理が言い出すまでもなく、6月のサミットではGHG削減は大きなテーマになるから、前もって日本だって考えてますよというアドバルーンを上げたということだろう。

 「美しい国」の次は「美しい星」だそうだ。でも総理はそんな社会を想像できているのだろうか。CO2を筆頭とするGHG「1人1日1kg」の削減も提唱したが、それだと1年で365kg。日本人は1人あたり年間10トン以上のGHGを出しているから、3.5%程度の削減にしかならない。もちろんそれ以外に産業界にがんばってもらおうということだろうが、これまでも省エネの努力を重ねてきた産業界にとって半減するというのがどれだけ難しいことか。

 ちなみに1kgのCO2を電力に換算すると2.6kWhで、大型テレビでも10時間分。最新型の冷蔵庫は内容量400〜500リットルクラスで年間数500〜600kWhだから、冷蔵庫を使うのをやめても追いつかない。ガソリンにすると0.43リットルで、高燃費のクルマなら6〜7kmは走る。通勤に往復20km走っている方なら、2日に1回は自転車に換える必要がある。できますか? それでも半減にはほど遠いのだ。

 半減社会はこれまでのやり方の延長では実現不可能。省エネルギーには限界がある。ではどうするか。一つは、効率を上げることだ。電気を作っているところで捨てている熱をきちんと使う。それには、いまのような大規模集中型ではなく、分散型のエネルギーシステムへの転換が必要。ところが、世の中はオール電化で、集中型を助長する風潮。もう一つはCO2を排出しない再生可能エネルギーの大幅な導入。しかし、昨年は風力も太陽光も設置を減らしている状況で、どうも国はあまり力を入れたくないらしい。

 もう一つの問題はロードマップが示されていないことだ。EUは2020年までに少なくとも20%削減を打ち出している。日本は2010年のマイナス6%の達成も絶望的で、手詰まりの状況で、ロードマップをどう描くのか。

 まさか、原子力発電で日本も世界も「オール電化」しようっていうのではあるまいね。そんなのは美しい星ではなくて危ない星。北朝鮮やイランの原子力発電計画になぜ反対してるの? だいいち、世界中で原子力を増強したら、燃料のウランはそんなにもたない。

 ともあれ、リーダーは声を上げるのが仕事とすれば、このあとは優秀な官僚たちが仕上げてくれることを望むばかりだ。でも、郵政も道路も結局骨抜きにされたからなあ。いろいろな意味でお手並み拝見。
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by greenerworld | 2007-05-25 09:42 | 環境エネルギー政策  

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