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CO2削減目標の必要性を打ち出したブッシュ大統領のねらいは?

 アメリカのブッシュ大統領が、CO2を始めとする温室効果ガスの長期的削減目標を設定する必要性と、そのための会議(G8+中国・インドなどの大排出国)をこの秋アメリカで開催するという計画を表明した。これは前向きなサインと見るべきか、曲球(くせだま)というべきか。後者でしょうね。事前のメルケル首相訪米時の会見でも、削減目標設定に釘を刺しているブッシュ大統領が、この時期になぜこんなことを言い出したかは明らかだろう。すでに国連が今世紀中の気温上昇を2℃以内に抑えるには2050年までに50%の削減が必要と警告し、EUはもちろん日本の首相までもが2050年までの50%削減目標を表明した。ブッシュ大統領、ドイツで開かれる先進国首脳会議(G8サミット)では、守勢に回ることが必至。そもそもが国連を軽視し京都議定書から離脱したとはいえ、ブッシュ政権にとって自分たちの蚊帳の外で目標が決められることは耐え難い。証拠がないといっていた気候変動も、NASAやNOAAなどのお膝元の機関からも次々証拠を出され、現実に気候変動を前提にした安全保障のシミュレーションまで行っている。

 それならば、アメリカ主導で目標や行動計画を決めるのが、アメリカ、いやブッシュ政権を支える産業グループの利益にかなう。とりあえずサミットに向けては、逃げを打っておくのが得策というあたりがその心なのではないか。

 今回の演説には目標数値も取り組みも何も語られていない。この秋の会議といっても何も中身は具体的になっていない。現状からは明らかに後退である。国連や他のG8の動きは、完全に無視されたかたちだ。G8での議論を中途半端にさせず、あくまで国連を中心に先進国が率先して取り組むことをサミットで確認できなければ、ブッシュ政権の横車を押し通させることになる。ポスト京都議定書がアメリカ単独主義の元で進められるというのであれば、地球環境をテーマにするという来年の洞爺湖サミットも、引退するブッシュ大統領の花道づくりに利用されかねませんよ。なぜか、京都会議の時の日本政府のどたばたぶりが思い出される。
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by greenerworld | 2007-06-01 09:27 | 環境エネルギー政策  

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