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メルケル首相僅差の判定勝ち?

 ハイリゲンダム・G8サミットにおけるブッシュ大統領とサミット議長メルケル首相の駆け引きを、ボクシング風に採点してみよう。

 2050年に半減を目指すという、サミット以前のEUや日本が表明していた以上には何も決まらなかった。具体策についても議論されなかった。前哨戦ではアメリカへの様子見のジャブに対して、ブッシュ大統領の反撃が効いたと言っていいだろう。

 サミットの最大の焦点はアメリカが単独主義に拘泥するか、国連の枠組みへ復帰するかが明らかになるかだった。ただ、この点ではブッシュ大統領は分が悪い。アメリカが秋に計画しているという、温暖化対策のための国際会議の呼びかけ先としてあげられたブラジルのルラ大統領が、先週訪れたイギリスで国連以外の枠組みで交渉を行うつもりはないと表明した。ブッシュ大統領もサミットの交渉の中でこの会議を国連での交渉に至る手続きであると認めたようだ。ブッシュ大統領のパンチは大振りなだけで有効打がなく、しかも肝心のガードが少々甘かった。手堅くポイントをまとめてメルケル首相が僅差の判定勝ちといったところか。



 ところで日本はどういう立場だったのか。レフェリーでもなく観客でもなく、もちろんマッチコミッショナーでもない。しかし、試合に乗じてうまく立ち回ったといえるかもしれない。マイナス50%の中身は、EUは1990年基準だが日本は「現状」であり、この議論はあいまいにさせてしまった。EUは曲がりなりにも温室効果ガス排出を減らしているが、日本は8%も増えている。「これまでのことはなしにして、これからがんばろうね」というのが認められるなら、何のための国際交渉だったのか。それも日本の「京都」の名前を冠した議定書なのに。アメリカを交渉に復帰させるためには90年にこだわらない方がいいとの説明だが、アメリカを出しにしていると言われても仕方なかろう。しかも具体的な方策は何もないのだ。

 次の本格的な議論の場は、今年12月にインドネシア・バリで開催されるCOP13・COP/MOP3会議に移ることになる。その前にアメリカでの会議が開催されるかもしれないが、日本はこの半年でどれだけ具体策を提示できるのか、それが来年の洞爺湖サミットで試される。そしてそこでの日本の「対戦相手」が見えてくる。
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by greenerworld | 2007-06-08 09:34 | 環境エネルギー政策  

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