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カエルツボカビが野外でも見つかった

 昨年12月に日本国内で飼育されていたカエルへの感染が確認されたカエルツボカビ症が、野外でも確認されたことが、昨日神奈川県相模原市の麻布大学で行われた「カエルツボカビフォーラム2007」における発表で明らかになった。カエルツボカビ症は中米やオーストラリアで猛威をふるい、多くの野生のカエルを激減させ、いくつかは絶滅に至ったという深刻な感染症(カエルを絶滅させるツボカビが日本に侵入参照)。日本でも野外への拡大が心配されていたが現実になってしまった。検査で陽性だった野生個体は神奈川県内で採集されたウシガエル4匹。それ以外にもごく短期間(時間)しか人間の管理下に置かれていなかったアマガエル、ヒキガエル、イモリなど野生個体でも、陽性が確認されたという。ただしいずれも発症はしていない。



 野外での調査はまだ限定的なもので、これまでに野外で死んで届けられたカエルからはまだ感染が確認されていない。また、今回感染していたツボカビの起源は明らかになっていない。国立環境研究所の調査によれば、これまでに国内で確認されたカエルツボカビにはいくつかの遺伝子タイプがある。それらがそれぞれどういった起源であり、どのような経路で日本に至ったのか、野外で確認されたものがそのどれに当たるのかはまだはっきりしていないのが現状だ。

 調査研究はまだ始まったばかりで、わからないことが多い。しかし、現状では最大限の注意を払わなければならない。飼育していたカエルはたとえ日本の野生起源のものであっても、屋外に放してはならない。子どもたちが遊びで取ったものだとしても。まことに残念な事態だが、日本の野生両生類を守るためには、やむを得ないことだ。

 そのほかに、カエルを飼っていた水、土、洗浄水は必ず消毒してから捨てること(塩素でも、熱湯でもよい)。飼っていたカエルやイモリ、サンショウウオが死んだ場合は、土に埋めたり野外に捨てたりせずに、確実に焼却される方法で廃棄する(燃えるゴミとして出す)こと。調査や観察でカエルの生息地に入り込んでしまい、靴の底やタイヤについた泥からツボカビが広がることもあり得る。靴やタイヤをよく洗い、乾かすこと。網も消毒した方がいい。土がついたままの靴で別の生息地に入り込まない。野外のカエルやオタマジャクシを移動させない。カエルツボカビの野外拡大を防ぐために、そういったことが推奨されている。

 こうして考えると、カエルツボカビの拡大を防ぐためには野外活動がきわめて制限される。そもそも日本ではカエルが生活の場、農業の場にいる。対策は困難を極める。状況は深刻である。

 麻布大学 http://www.azabu-u.ac.jp/
 WWFジャパン http://www.wwf.or.jp/
 環境省 http://www.env.go.jp/nature/info/tsubokabi.html
 カエル探偵団 http://web.hc.keio.ac.jp/~fukuyama/frogs/tubokabi/index.html
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by greenerworld | 2007-06-11 13:52 | 生物多様性  

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