管理者へのメール / 管理者のプロフィール


政府庁舎に太陽光? 他にやることがあるんじゃないの

 読売新聞(電子版)によれば、国は、今年度から2012年までに、全国の政府庁舎に太陽光発電パネルを設置する計画を進めているそうだ。2012年は京都議定書の約束期間最終年だから、目的ははっきりしている。年間1,000万kW時分の発電を期待しているとのことなので、日本における平均的な発電量からすると、設置出力で1万kW(10MW)程度ということか。70万円/kWとして70億円。なんだかんだで100億円ぐらいの事業だろう。それが全部税金でまかなわれるということである。

 一方、風力発電に続いて太陽光発電でも世界トップの設置となったドイツ。2005年にそれまで太陽光発電設置世界一だった日本を抜き去り、昨年一年の設置出力は日本の倍に達した。日本の昨年の設置出力はとうとう前年比マイナス。国内メーカーの世界シェアも下がっている。しかも国内で生産された太陽電池の4分の3がドイツを中心とする海外に回っている。以前から言ってきたが、このままでは太陽光発電の国内市場が縮小し、太陽熱と同じ道をたどりそうだ。




 ドイツはこの7月に再生可能エネルギー政策の勝利を高らかに宣言した。その政策、つまり2000年に社民党・緑の党連合政権下で導入したEEG(再生可能エネルギー法)の効果は著しかった。同法は、風力発電や太陽光発電などの再生可能なエネルギー源からの電力買い取りを電力会社に義務づけた。しかも元が取れる、いや儲かる価格で。風車やバイオマス発電、太陽光発電の設置は有望なビジネスとなり、投資対象となって、多くの資金を集めた。電力会社は上昇したコストを価格に転嫁するか、企業努力によって吸収する。これに対して日本の太陽光普及政策は設置者に対する補助金(税金)の支給だった。それも2005年で打ちきりになると翌年設置出力は前年割れした。そもそも、補助金を入れても太陽光発電では元が取れない。かたやドイツでは、儲かる料金で買い上げてもらえることを政府が保証しているが、そこに国の税金はほとんど使われない。

 ドイツを始めヨーロッパの成功モデルを尻目に、NPOや個人の思いに寄りかかり、電力会社の意向ばかりに気を遣ってきた、日本の再生可能エネルギー普及策は破綻したといっていい。政府庁舎に設置を計画される太陽光パネルによって回避できるCO2は年間3,800トン。2005年の日本の温室効果ガス排出量は13億6000万トン。

 ドイツ政府は、EEGによって回避されたCO2排出は4500万トンと見積もり、EEGが気候変動対策に有効と明言しているが、結局日本は原子力と心中する道を選んだということか。
[PR]

by greenerworld | 2007-07-16 15:17 | 環境エネルギー政策  

<< 原発に頼って大丈夫なのか ヒヨドリの至福 >>