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牛肉1kgにCO2が36kgついてくる

 牛肉生産に伴い、大量の温室効果ガスが排出されていることが、つくばにある畜産草地研究所・荻野暁史研究員らがニューサイエンティスト誌に発表した論文で明らかになった。

 その量はCO2換算で牛肉1kgあたり36.4kgにもなる。ガソリン15.8リットルを燃やすのとほぼ同じCO2を排出しているということだ。牛肉1kgには36.4kgのCO2がついてくると言ってもいい(こういう考え方をカーボンフットプリント=CO2の足跡という)。

 1回150gの牛肉を週2回食べれば、牛肉消費量は年間に15.6kgになり、これだけで約570kgのCO2を排出することになる。ガソリンに換算すると246リットルなので、燃費のよい小型車ならば3,000kmほど走るのと同じ。電気に換算すると約1500kWhで、家庭の4〜5か月分の消費量、または40Wの蛍光灯103本を1年間点灯し続けるのに相当。



 いったいどこでこんなに温室効果ガスを出すのか。すぐに思いつくのが、牛の「げっぷ」。この中には体内の微生物によってつくられたメタンが含まれている。農耕地などで牛の糞が分解される際にもメタンが出る。メタンの温室効果はCO2の21倍と高いのだ。しかし、餌の生産と運搬に使われるエネルギーからの排出も非常に大きいという。

 この数字には、農場で使われる機材および肉の流通に伴う温室効果ガス排出は含まれていないというから、実際には牛肉のカーボンフットプリントはさらに大きくなるわけだ。

 配合飼料を使わず牧草で牛を育てれば、85%もエネルギーが節約でき、温室効果ガスの排出は40%減らせるという別の研究もある。地球温暖化防止のためには、しっかりと牧草で育てられた牛をほどほど食べるというのが、正解のようで。あなたの健康のためにも。

by greenerworld | 2007-07-21 10:16 | スローフード  

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