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京都議定書目標年へ秒読み段階で「あと7%」

 2006年度の日本の温室効果ガス排出量速報値が、11月5日に環境省から発表された。総量で2005年度に比べマイナス1.5%と減少、京都議定書の基準年である1990年と比べると総排出量は6.4%上回った。前年度比減少は喜ばしいことだが、まれに見る暖冬で家庭部門(前年比−4.4%)、業務部門(同−2.6%)の排出が減ったことが大きい。しかし、暖冬が毎年続くわけではないし、今年度以降は中越沖地震に伴う柏崎刈羽原発の長期停止の影響も出てくる。減少は一時的なものと考えた方がいいだろう。産業部門は景気拡大で0.6%増加しているのだ。

 京都議定書における日本の排出量目標(公約)は90年比マイナス6%。このうち、3.8%を森林吸収により、1.6%を京都メカニズムにより削減することになっている。算定が難しい森林吸収源対策は怪しいものだが、これが達成できたとしてもあと5年間で7%分を削減しなければならないことになる。

 産業界は10月、自主行動計画の追加対策を決め、18業界で合わせて1993万CO2トンの削減を上乗せする目標を設定した(日経10月24日朝刊)。ただ、これが達成されてもマイナス1.6%分にしかならない。よほどのことがない限り(経済活動が大幅に低下するような経済危機とか天変地異……それは困る)京都議定書の目標達成は難しい状況と思われる。

 電力会社や鉄鋼会社はこれ以上の排出削減は難しいとして、海外での排出量削減枠の取得をふやす方向だという(朝日10月11日朝刊)。しかし、対策はあくまで自主行動計画であるので、赤字を出してまで排出枠を買うことはあり得ないだろう。折しも、東京電力が柏崎刈羽原発対策で今年度大幅な損失を出すことが決定的。赤字企業が排出権を買うことが株主から許されるのかという問題もある。かといって、小売価格、料金には転嫁できまい。産業界ばかりが削減を求められることへの反発もある。こんな状況でその先の「マイナス50%」をどうやって達成しようというのだろうか。
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by greenerworld | 2007-11-07 10:38 | 環境エネルギー政策  

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