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地球を加熱するパーム油

 最近グリーンピースが「Cooking the Climate」というレポートを発表した。バイオ燃料の中でも軽油代替として期待されているバイオディーゼル、その有力な原料であるパーム油の生産によって、CO2削減どころか、地球温暖化が加速されるという内容である。

f0030644_0101685.jpg パーム油はパームヤシの実からとれる。そのパームヤシの栽培はインドネシアやマレーシアを中心に大規模なプランテーションで行われている。プランテーションを築くために、違法な熱帯林の伐採・焼き払いが行われているのだ。それによって樹木が蓄えた大量のCO2が大気中に排出されるという。そればかりでなく、地下に蓄えられた泥炭にも火がつく。泥炭はくすぶり大量のCO2を解き放つ。火がつかなくても、むき出しになり乾燥化すれば急速に分解が進む。(写真はインドネシアの熱帯林と熱帯林を切り開いたパームヤシ園のみごとなコントラスト、Green Peace Internationalより)

 熱帯林の破壊は、世界の年間温室効果ガス排出の5分の1に相当するといわれている。その分を勘案するとすでにインドネシアはアメリカ、中国に次ぎ世界3番目の温室効果ガス排出国になっているという。インドネシアにはすでに600万ヘクタールのパームヤシ農園があるが、インドネシア政府は2015年までにさらに400万ヘクタールをバイオ燃料用にふやす計画だ。

 パーム油は食用としても需要が高まっている。植物油をマーガリンやショートニングに加工する際に水素添加を行うと、健康に有害なトランス脂肪酸ができてしまう。そこでメーカーは、水素添加を行わなくても流動性の低いパーム油の含量を高めるようになってきた。環境と健康のためといいながら、温暖化を加速させるパーム油の消費増。スマトラやカリマンタン(ボルネオ)では、多くの野生生物が生息場所の森を失い絶滅の危機に瀕している。先住民族も生活の場を奪われている。まさに悪夢のシナリオだ。対策はどちらも消費を抑えるしかない。燃料油も食用油も。
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by greenerworld | 2007-11-11 00:18 | エネルギー  

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