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パッシブソーラーでエネルギーいらず

 季刊「ソーラーシステム」110号にパッシブソーラー住宅の事例を2軒紹介させていただいた。パッシブソーラーというのは、機械的な制御をせず、自然の力で暖かさや涼しさを得る建築手法のことである。涼しさの場合にはパッシブクーリングとも言う。

f0030644_22122633.jpg 一軒は千葉県鴨川市にある棚田や雑木林に囲まれた里山に建つセカンドハウス(写真上)。東西に長く、南北に短い長方形の平屋なのは、日射を最大限取り入れて床に蓄熱させるため。日中に取り込んだ熱はゆっくりと家全体に放熱されて、温度差のないちょうどよい温熱環境になる。もちろん、熱が逃げないよう十分な断熱が施されている。庇の長さで、夏は逆に日射を取り込まないため、屋内が十分に涼しいという。地形に制約のある市街地ではなかなか難しい設計(外から丸見えだし)だが、条件さえ良ければ、冬に晴天率の高い関東以西の太平洋側なら、冬の暖房エネルギーをほとんど使わないですむのではないか(夏の冷房も不要!)。深川良治建築計画室の設計。

f0030644_221379.jpg もう一軒は八王子市の丘陵地にある、最大斜度30度という西向き斜面に建てられた家だ(写真中・玄関は一階で、リビングや寝室は階段を下りたところにある)。回りは閑静な住宅街だが、ここは条件が悪くて売れ残っていた土地。しかし、斜面を掘り下げ、半ば地中に埋まるような形で建築し、地中の熱量を最大限利用することで、一日どころか一年を通じてあまり温度変化のない住宅を実現している。天気が良ければ西に富士山も望める眺望を活かし、テラスを設置、ここが夏はデッキに、冬はサンルームになる(写真下)。夏には屋根のトップライトを覆うことで日射が屋内に差し込むことを防ぎ、冬はトップライトを全開して、日射を取り入れ内部に蓄熱する。木材は全て新月材だ。おが粉まで壁に塗り込んで使い尽くした。

f0030644_22124412.jpg その土地その土地の気象や風土などの条件を読み取り、土地に内在する自然の力を最大限活かすのが、パッシブソーラーの原則。自然を無視し、機械力で冷暖房するいまの建築は、安い化石エネルギーがふんだんに使えた時代の遺物である。

 詳しくは「ソーラーシステム」110号をお読みください(宣伝になってしまいました)。
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by greenerworld | 2007-12-02 22:17 | エネルギー  

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