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都市鉱山──実は資源大国ニッポン

 このところの石油高騰は生活や産業に大きな影響を投げかけているが、高騰しているのは石油ばかりではない。金やプラチナには投機筋の資金が流入しており、原油価格上昇やドルの下落に連動して高騰している。それ以外にもステンレスや銅やアルミが盗まれる事件が続発しているように、主要金属が軒並み高騰している。これは高成長を続ける中国やインドで需要が高まっていることもさることながら、金属資源そのものが有限で埋蔵量の限界を迎えているということも大きい。

 そんな中、独立行政法人物質・材料研究機構が発表したレポートは興味深いものがある。資源“小国”であるはずのわが国に、世界有数の金属資源が眠っているというのだ。その場所は“都市鉱山”。簡単に言えば、原料や、部品・製品に含まれて輸入される素材量から、同じく輸出される部品・製品に含まれる素材量を引いたものが、国内蓄積として推計される。これが“都市鉱山”だ。

 同機構の発表によると“国内埋蔵量”の多いのは以下のような資源。

 インジウム:1,700トン(世界の現有埋蔵量の61%)
 金:約6,800トン(同16%)
 銀:60,000トン(同22%)
 アンチモン:340,000トン(同19%)
 スズ:660,000トン(同11%)
 タンタル:4,400トン(同10%)

 これ以外にプラチナは“埋蔵量”2,500トンで現有埋蔵量の3.6%だが、世界の年間消費量の5.4倍にもなる。リチウムは同じく7.4倍、インジウムは3.8倍だ。

 インジウムは液晶やプラズマディスプレイの電極やLEDに使われており、今後はCIS太陽電池の原料としても期待されている。省エネ、再生可能エネルギーのカギとなる資源の一つだ。たぶん、国内にはディスプレイ電極として“埋蔵”されているものがほとんどなのだろうが、それがすでに現有埋蔵量の6割を超えているということは、未採掘資源はもうあまり残っていないということになる。

 いくら都市鉱山の埋蔵量が豊富でも、これらのほとんどは製品に含まれているため、そこから効率よく取り出すしくみが必要である。しかし現状ではこうした製品は廃棄されたあと、低品位の混在物として海外に流出していく状態にあり、本来よりも安い価値で貴重な資源が流出していると、同機構は指摘している。

 “都市鉱山”の資源は薄く広く存在する。しかしそのありかは基本的にわかっている。集めてさえしまえば、天然鉱山から採掘される鉱石より含有率はずっと高いといわれる。廃棄物を回収する、いわば静脈のしくみを整え、そこから、効率よく資源を取り出す技術を確立しなければ、宝の山もただのがらくただ。いや、そうしなければ、ハイテク技術も新エネルギーも、いずれ資源問題で頓挫する。
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by greenerworld | 2008-01-12 10:54 | エコエコノミー  

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