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暫定税率問題─ひょうたんから駒?

 ガソリンという矮小なテーマで与野党対決状況が演出されてうんざりしていたら、少しおもしろくなってきた。

 民主党は揮発油税と地方道路税にかけられているいわゆる暫定税率(両税を合わせてガソリン1リットルあたり25.1円)の期限がこの3月31日に切れることから、この廃止を訴えている。折からのガソリン高騰が産業や国民生活を直撃しており、暫定税率廃止でガソリンを値下げさせようというのだ。

 ただし同党は、税を本来の枠に戻すためのものでガソリン値下げは本筋ではないと主張している。両税は受益者負担という名目で道路を造るために使われる、いわゆる道路特定財源で、この巨額の財源に政・官・業が群がり、暫定税率を膨らませてきた経緯がある。

 言ってみれば、道路建設専用の財布からお金を取り上げようというもので、道路族が大きな力を持ってきた自民党は当然反対する。この財源がなくなれば道路整備、とくに地方の道路整備が難しくなり、自治体の財政を圧迫するというのが自民党の主張である。

 雲行きが変わってきたのは、町村官房長官が特定財源を地球温暖化と結びつけたからだ。ガソリン値下げは環境問題にマイナスとなる、言い換えればガソリンの価格を高く維持することで、ガソリン消費抑制に役立っているという論である。

 これには驚いた。ガソリン税は道路建設のための税で本来温暖化対策とは全く関係がない。むしろ道路整備は自動車の利便性を高め、温暖化の防止に逆行してきた。温暖化対策を言うなら、自動車を使いにくくするのが筋である。もちろん、ガソリンの価格を高くするのも一つの方法だろう。それには、環境税という方法がある。受益者負担ではなく、ペナルティを払うという考え方である。ヨーロッパでは環境税(または炭素税)は環境対策に使われる他、福祉や年金・所得税の軽減に使われ、企業や個人の負担が総合的に増えないように配慮している。少なくとも道路建設に使われることはない。

 と思っていたら、今度は石原伸晃前政調会長が、暫定税率が期限切れになれば環境税に形を変えることも考えるべきとテレビ番組で発言したそうで、またまた驚き。もっとも石原氏の父上は国に先駆けて東京都に環境税を導入しようとしているので、全く唐突に出てきた話でもない。町村官房長官の牽強付会が思わぬ方向にころがり出すかもしれない。

 暫定税率問題、こう考えるとけっこう重要な論点になりうる。通常国会では道路政策、交通政策、エネルギー政策、環境政策などなど、幅広い観点からキチンと議論してもらいたいものである。
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by greenerworld | 2008-01-20 16:07 | 環境エネルギー政策  

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