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夢の技術だったRDFは完全に失政

 全国にあるゴミ固形化燃料(RDF)施設の処理費が、焼却した場合の2倍にもなると毎日新聞(電子版)が報じている。全体で年間200億円ほど余分なコストがかかっていることになるという。

 RDFはゴミを乾燥し、圧縮成型(ペレット化)した固形燃料である。RDFにすることで扱いやすくなり、ゴミ削減とともに発電や製鉄所の燃料や還元剤として使える、当時問題になっていたダイオキシンの発生も抑えられると、一石二鳥にも三鳥にもなる技術として、10年ほど前にはまるで救世主のようにもてはやされた。

 音頭を取ったのは当時の厚生省、補助金を出して建設を誘導した。これにゴミ処理の広域化を進めていた多くの県、さらに中小の自治体が乗った。しかし当時から稼働率を高めるためにより多くのゴミを集めねばならずゴミ減量に逆行する、製造時にダイオキシンが発生するのではないかという疑問が市民団体や専門家などから上がっていたのだ。しかも、プラントの建設費は巨額になる。もともといくつかの商社やプラントメーカーが、厚生省に持ち込んだ技術だと聞いたことがある。

 三重県はRDFを使った発電事業を推進。1998年5月に開催されたある会合で、県の担当者はその技術のすばらしさを熱弁した。しかし、2003年にその三重県のRDF発電所のRDF貯蔵タンクが爆発、消火作業にあたっていた消防士2名が死亡するという痛ましい事故が起きた。RDFに含まれる有機物が発酵、発熱すると同時に可燃性のガスを発生させたと見られている。

 RDFは燃料としても低品位でいまでは相当な処理費用を払って引き取ってもらったり、一般焼却施設で焼却している始末だ。製造時に発生しないと言われていたダイオキシンも生成することがわかり、追加対策も必要になった。RDF製造施設は今や完全にお荷物。失政以外の何ものでもない。

 結局RDFで儲けたのは誰かを考えれば、これは立派なスキャンダルだと思う。当時の厚生省の担当者にどう落とし前をつけるのか、問いたいものだ。

 RDF施設が全国に行き渡ったあと、ゴミ処理の主力はガス化溶融炉に移った。これも大規模プラントが前提で、費用がかさむ。効率よく運用するには、収集を広域化しゴミをたくさん集めなければ成り立たないシステムだ。

 ガス化溶融炉の次はバイオガス、さらに最近はエタノール。金のかかる「夢のような」事業には、誰かの利益が絡んでいる。眉につばつけた方がいい。
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by greenerworld | 2008-03-31 10:22 | 環境エネルギー政策  

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