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トウキョウが危ない

 今年はトウキョウサンショウウオ研究会が1998年に一斉調査を行って、10年目にあたる。5日に担当のあきる野市東北部の丘陵部を見て回った。この地域はトウキョウサンショウウオの基準標本(新種として記載される元となった標本)の産地なのだ。

 10年前に産卵が確認されたポイントに、今も産卵があるかどうかを確認する作業。f0030644_21364052.jpgトウキョウサンショウウオは小型の両生類(有尾類)で、ふだんは林の中の湿った地面の空隙や落ち葉の下などで暮らす。めったにお目にかかることはないが、両生類のさだめで産卵は水の中、幼生も水中で成長するため、早春に水場に集まる。メスはバナナ型の卵嚢を一対産む。したがってこの卵嚢を数えれば産卵したメスの成体の数がわかり、生息状況のおおよその目安になる。

 トウキョウサンショウウオが産卵するのは水田や側溝、わき水の水たまりなど、止水が多い。かつての里山の谷戸田のような環境だ。人の手が入っていると、水場も維持され、サンショウウオが産卵しやすくなる。しかし、放置された谷戸田は落ち葉で埋まり、ヨシが生え、水路も深くほじくれて次第に乾燥化する。この10年でますます環境は悪化した。開発も進んだ。

 果たして、調査結果は散々。10年前に確認された産卵場で、5日に調査できた12か所のうち、産卵が確認されたのは半分だけ。水場が完全に干上がっているところも少なくない。数も激減している。

 加えて、青梅市や八王子市では、捨てられて野生化したアライグマが産卵に訪れたサンショウウオや卵嚢を食い散らかす被害もあるという。これもこの10年間のことだ。

 8日の東京は春の嵐、丘陵部では150mmほどのまとまった雨が降った。水たまりができて、遅い産卵に来るトウキョウサンショウウオもいるのだろうか? このままでは東京からトウキョウサンショウウオが消えてしまうかもしれない。

 もう一つの東京の名がついた両生類、トウキョウダルマガエルもめっきり少なくなった。こちらは平地の水田が生息地で、水田そのものが東京ではもはや絶滅寸前。
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by greenerworld | 2008-04-09 21:39 | 生物多様性  

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