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太陽光発電設置に補助金復活!

 経済産業省の2009年度(平成21年度)概算要求に、「住宅用太陽光補助金」として238億円が盛り込まれた。2005年度を限りに廃止されて以来、4年ぶりの復活となる。もっとも2005年度の補助額はkWあたり2万円というもので、予算額も26億円まで減っていた。238億円は過去最大だった2001年度の235億円を抜き、最大規模となる。福田首相の置き土産「低炭素社会づくり行動計画」(今年7月)のおかげである。「行動計画」では、2010年までに太陽光発電のシステム価格を半額、2020年には導入量を現在の10倍に、2030年には40倍にするという目標を掲げている。

 2010年に半額というのは実現が心許ないが、ともかくやる気になっているのだ。しかし、どういう補助の仕方をするかはまだ見えてこない。かつてのように単純に設置補助金を出すのだろうか。最近はドイツ始めヨーロッパでの太陽光発電(に限らないが)の普及に、高価格での発電電力買い上げを義務付けたフィード・イン・タリフ(FIT)制度が功を奏したことがかなり知れ渡ってきた。政策担当者・担当官僚もみなFITに効果があることは知っている。FITは今やお隣の韓国や中国でも導入され、自然エネルギーの普及に役立っている。日本でも議論されたが結局電力業界の強硬な姿勢で実現しなかったどころか、ほとんど無視されてきた。その結果、日本は自然エネルギー電力の普及で、1人蚊帳の外という状態だ。で、お家芸だった太陽光発電でも設置ではドイツ、スペインに抜かれ、生産1位の座も危うくなってきたのだ。

 そこであわてたというわけだろう。このままでは国内市場がしぼんでしまう。これはいつか来た道なのである。日本はかつて太陽熱大国だった。それが今や年々市場は縮小するばかり。それに太陽光は太陽熱と異なり、ハイテクで技術革新、関連産業の広がりも期待できる。その結果がこの補助金復活というわけだ。

 東京都では、来年度から3kWシステムに対して30万円程度、太陽熱を複合利用するソーラーシステムに20万円程度、太陽熱温水器に3万円程度の補助を予定していることを8月末に発表した。ただし、自家消費分の環境価値の譲渡を条件にしている。これには少し説明がいる。東京都では、単純な補助金ではなく、グリーン証書と結びつけた制度を検討してきた。自然エネルギーで発電した電力はCO2を出さない。これに環境価値を認め、排出量取引の対象とする。しかし、太陽光発電の設置者の多くは、すでにRPS法による発電設備認定を受けており、電力会社に売電した分は環境価値を売り渡していると認識されている。しかし、自家消費分はその限りではないので、環境価値が残っているというわけだ。しかも、太陽熱に環境価値を認めようというのが東京都の制度のミソだ。

 しかし、その環境価値(自家消費量)をどのように計るのか。これはきわめて難しい。東京都は10年分の環境価値を先払いする形で補助するらしい。標準的な発電量で置き換え、一律に同じ金額を支払うというなら、実質的には単純補助と変わらない。きちんと量として把握できないのであれば、その環境価値をCO2削減量として売買することも難しいだろう。東京都の制度もまだまだ検討を加える余地がありそうだ。

 ともあれ、東京都の制度は国や市町村の補助制度と併用可能だという。そうすると、国の制度が加われば東京都民にはかなり有利な条件となりそうである。

 それにしても、2006〜2008年度の設置者こそ好い面の皮ではないか(いや設置した方には失礼ですが)。この間は原料シリコン不足にヨーロッパの需要増が重なり、システム価格が上昇している。この人たちを救済しようという考えはないのかね。少なくとも、今年下期には設置は極端に減るでしょうな。
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by greenerworld | 2008-09-11 20:40 | 環境エネルギー政策  

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