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日本に根付くか、カーボンフットプリント

 以前、イギリスでポテトクリスプやジュースなどにCO2排出量(カーボンフットプリント)を表示する試みが行われていることを伝えたが、今年度から日本でも同様の試みが始まった。

 経済産業省が、6月「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」を立ち上げ、有識者、メーカー、流通各社担当者などが委員として参加して検討を重ねている。カーボンフットプリントの検討は洞爺湖サミットを前に発表された福田ビジョン「『低炭素社会・日本』をめざして」の中に言及されており、いわば福田政権の置き土産。

 カーボンフットプリント(炭素の足跡、以下CF)とは、原料採取から製造・流通・販売・使用・廃棄に至るまで、その商品の一生でどれだけのCO2(CO2換算した他の温室効果ガスも含む)を排出しているかを、製品当たりの排出量で示したもの。共通のマークとともに数値が容器・包装のどこかに表示されることになる。先の研究会に参加している事業者を中心にCFの算出を進めており、30社100品目(予定、一部重複あり)が12月11-13日に東京ビッグサイトで開催されるエコプロダクツ2008に参考出品される。共通マークも11月中旬には発表される予定だ。

 とはいえ、CF算定のルールを決めるのは難しい。自社内で排出されるエネルギー起源などのCO2は把握できても、原料の排出量はさかのぼって計算するのか、それとも原料メーカーにまかせるのか、原料ごとのばらつきをどうするのか、どういう流通経路を使うのか、店舗ではどのように売られ、家庭ではどのように使われているのか……。などなど、各社とも四苦八苦しているようである。

 果たしてCFが消費者に認知され受け入れられるのか、という問題もある。成分表示や原産地表示と違い、直接安全・安心に結びつくわけではない。そのためにコストをかけて(算定だけでなく認証にもお金がかかるだろう)、商品価格にはね返るのでは元も子もない。もっとも取り組む企業側では、サプライチェーン管理の強化、効率化というメリットを見出しているところもあるようだ。

 エコプロダクツ展の結果も踏まえ、来年度は実際の店舗で施行されると言うから、CFつき商品をわれわれが目にする日もそう遠くはないが、まだまだ普及には時間がかかるだろう。あるいは普及しないまま消えていくかもしれない。

 ところで、なぜこんなにわが国の取り組みが素早かったのか。2010-2011年にCFの国際標準規格(ISO)化を控えており、来年にはその案が提示される予定。そこに日本の意見を反映させるには、実はぎりぎりのスケジュールなのだ。
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by greenerworld | 2008-11-05 09:06 | 環境エネルギー政策  

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