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電気自動車ビジネスの“仕掛人”が日本に上陸

 アメリカ西海岸サンフランシスコ湾のベイエリアを電気自動車(EV)の街にする、こんな構想が発表されたのは11月のこと。2012年までにサンフランシスコ、サンホセ、オークランドにまたがる同地区に、EV用の充電ステーションを整備する計画だ。サンフランシスコ市のニューサム市長は、EV普及のために租税優遇措置を実施すると述べている。同時に域内のありとあらゆる場所で充電用の設備を整える計画だという。EV用のインフラストラクチャーを提供するのは、パロアルトに本社があるベタープレイスというベンチャーだ。

 EVはポスト石油、温暖化対策の切り札の一つとして期待されているが、航続距離が短い、充電に時間がかかる、そもそも充電インフラがないなどの理由から、これまで何度も市場化が試みられながら普及には至らなかった。しかし今回の“ブーム”(現実にはブーム前夜だが)では、リチウムイオン(Li-ion)バッテリーの登場により性能が向上したことから、期待値が向上している。しかし、それでもLi-ionバッテリーの重量エネルギー密度はガソリンに比べると80分の1程度で、航続距離を稼ぐにはたくさんバッテリーを積む必要があるが、それではバッテリーにスペースを奪われてしまう。日本テレビの番組「ザ!鉄腕!ダッシュ!」のソーラーカーだん吉号の荷物スペースは、バッテリー(鉛蓄電池)で満杯のはずである。ちなみにだん吉は太陽電池で動いているわけではなく、大量のバッテリーを毎日積み替えていると思われる。

 バッテリーEVに航続距離を求めると、非効率でコストもかさむ。長距離走行には元々向いていないのだ。EVのバッテリーはほどほどに積むべきで、短い距離を走る街乗りに向いたものということになる。

 もう一つの問題が充電時間である。Li-ionバッテリーは短時間の充電が可能とはいえ、09年に発売を予定している三菱自動車のiMiEVでは、100Vの家庭用電源だとフル充電まで14時間かかる。専用の充電スタンドで30分で80%まで急速充電できるというが、やはり今使いたいというときにバッテリー不足になる不安は残る。

 この解決策として考えられるのが、バッテリーそのものを交換式にすることである。スタンドで使い終わったバッテリーを取り出し、満タンのバッテリーと交換してもらうのだ。これならわずかな時間ですむ。しかもバッテリーが確実に回収できる。今あるガソリンスタンドでバッテリー交換ができれば航続距離の心配はしなくてすむだろう。もちろん、家庭で充電することもできる。

 ベタープレイスが推進しようとしているビジネスモデルが、このバッテリー交換式なのだ。同社はすでに、イスラエル、デンマーク、オーストラリアで事業を進めており、12月にはハワイでも事業が開始されることが発表された。そのベタープレイスが、iMiEVやスバルのプラグインステラなどとともに、環境省のFS事業に参加することになった。2009年1月に横浜にバッテリー交換スタンドを開設する予定だという。車は日産ローグのEV版のようだ(写真)。ブログ子的にはEVには大きすぎるんじゃないかと思うのだが。
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 ともあれ、デトロイトの前世紀の巨人たちが存亡の危機にある中で、西海岸ではこのベタープレイスやテスラモーターズなどEVビジネスのベンチャーが続々名乗りを上げているというのもアメリカらしい。
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by greenerworld | 2008-12-10 19:03 | エネルギー  

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